アインクラッド編
平穏な日々
紅色との日 02
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そ変装でもしたらどう? 騎士服を脱げば大分違うと思うよ」
「変装……それはあなたのようにですか?」
「うん? うん、まあそんな感じ」
適当に頷きつつ僕はヴォンゴレ(やっぱり正確には『っぽい何か』)をフォークで巻き取る。
アスナさんが言う変装とは、僕の今の格好に対する指摘だ。
圏外に向かう際に縛っている髪を下ろし、普段は隠蔽スキルの効果を上げるために黒系統の服を重用しているけど、今日は白のパーカー風の上衣に明るい青白色のパンツを履いている。 更にアクセサリーアイテムに分類されている眼鏡までかけているので、よく知らない人が見ればまさか僕がフォラスだとは気がつかないだろう。 と言うか、元々の外見もあって女の子と勘違いされることの方が多かったりもする。 おまけにカモフラージュ用に短剣まで装備しているので、雪丸のイメージが強い僕の正体は簡単にはバレない。
アスナさんとは違う意味合いで有名な僕は、気軽に街を歩くと騒動になりかねないのだ。 自慢や自惚れではなく、純然たる事実として。
《戦慄の葬者》 《骸狩り》 《災厄》 《復讐鬼》 《笑う殺人狂》
僕を指す異名はどれもこれも物騒なものばかりだ。
それらは僕の行いが悪かったので仕方がないとは言え、街を歩けば騒然とされるのはあまり良い気分ではないので、普段のお出かけは大体こんな格好をしている。 もっとも、僕の異名を知っていようとも、その外見まで知っているプレイヤーは攻略組を除けば少ないから、そこまで気を遣う必要はないのかもしれないけど。
「それにしてもって言うならこれもそうだけど、まさか同じ日の内に血盟騎士団の団長と副団長に会うなんてびっくりだよ。 もしかしてKoBって結構暇なのかな?」
「暇だなんてとんでもありません」
「へえ、じゃあなんだってこんなところに? こう言ったらあれだけど、この街はアスナさんには似合わないよ」
「あなたを探していました。 キリトくんに聞いたところ、よくエギルさんのお店に顔を出すと言われたので」
「エギルさんのお店は反対側だけど?」
「ええ、知っています。 あなたがお店に顔を出し次第、連絡を頂けるようお願いしてきました」
サラリととんでもないことを言ったアスナさんは、カルボナーラを上手くフォークに巻いて、上品に咀嚼する。
「……美味しい」
「ふふ、でしょ? ここは僕のお気に入りだからね」
「レシピを聞いたら教えてくれると思いますか?」
「んー、無理だと思うよ」
以前のアスナさんであれば、食事中でも関係なく用件をさっさと切り出して話しを早々に終わらせただろうし、そもそも僕に食事に誘われても絶対に断ったはずだ。
それがどう言うわけか、今はこうして食事を共にして、あまつさえ歓談までしてい
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