第31話 とある梅雨の一日
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崎組、後で覚えてろ。
「零治君………」
魔王様がゆったり近づいてくる。
「くそ、どけ!!」
俺はフェイントを混ぜ、アリサと加奈の間を抜けようとした。
「甘いわ!!」
俺が抜ける瞬間に俺の後ろ足に足を引っ掛け俺を転ばすアリサ。
俺はなんとか手で着地し、直ぐに立ち上がろうとする。
「本当に甘いわ兄さん」
「うがっ!?」
俺の背中に足を乗せ、立ち上がらせないようにする加奈。
「くそ………」
「お遊びは終わりかな?」
いつの間に俺の目の前にいたなのは。
「さぁオハナシなの………」
俺の制服の襟を掴み運ぶなのは。
いつも思うけど、どこからそんな力が………
「ちょ!?待て!!た、助け………」
俺の腹にアリサのボディブローが貫く。
「静かになさい」
アリサの冷たい一言にクラスみんなも静かになる。
「さぁ行きましょ」
俺は結局3人にズルズルと連れて行かれることになった。
「またあいつは何かやらかしたのか?」
入れ違いに入ってきた桐谷がフェリアに聞く。
「ああそうだが………桐谷」
「何だ?」
「お前はドSか?」
「えっ?」
桐谷はその後フェリアを誤魔化すのに苦労したのだった………
「朝は本当にひどい目にあった………」
「お前ももう少し言葉に気をつけろ」
昼休み、俺は肩を抑えながら廊下を歩いていた。
「「「有栖先輩、加藤先輩こんにちは」」」
「よっす。元気だな一年生は」
そんな俺たちに一年生の女の子3人組が声をかけてきた。
「先輩、悲鳴聞こえましたよ。いつものですか?」
「ああ、いつものだ。お前たちもうちのクラスにいる魔王には気をつけろ。おはなしって言葉が出たら即座に逃げろ。じゃないとトラウマになるぞ…………」
「大丈夫ですよ。有栖先輩だけみたいですから………」
「そうなのか!?」
「お前、気づいてなかったのか?」
桐谷にも言われる俺。
そういえば俺にしかやっていないような……………
「それじゃあ、失礼します」
「ああ、転ぶなよ〜」
俺達から離れていく女の子達。
「零治、知ってる子か?」
「いいや、知らない」
「…………どれだけフレンドリーに話してるんだよ」
「いやぁ、あのときから色んな人から声かけられんだよ」
あの時とは体育館でやった、イケメンバトルである。
あの後から、学年関係なく声をかけられるようになった。
「お前もか………」
「桐谷もか?」
「ああ、ラブレターなんかも渡されて正直迷惑だ」
神崎組に聞かれたら処刑もんだな。
「そんなこと言うなよ。相手はマジなんだぞ」
「だからいちいち答えを返すのがめんどくさいん
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