第二十話 二学期その三
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「それはね」
「他の子もそうだし」
「そうよね。それで皆と会えて話せる」
「いいことよね」
「それにそのうち」
また一人が言います。
「ちっちにとっていい人がここで出て来るかも」
「ああ、そうよね」
「高校で知り合って、っていうのもあるし」
「またそれ?」
そんな話になったのでいい加減困ってしまいます。
「だから私は」
「先輩の可能性もあるじゃない」
「ねえ」
「先輩!?」
言われても何故か今一つピンときません。
「先輩ねえ」
「ちっちって年上派なんでしょ?」
「まあ一応は」
タイプのタレントさんは確かに皆そうです。そうですけれど。
「だったらそれじゃない。もっとも私的にはちっちは年上より年下だけれど」
「そうよね、ちっちは」
「年下年下って」
年下の子には興味がないんですけれど。これも何度も言ってるのに。
「同級生はないの?」
「じゃあ誰かいるの?」
ぶしつけに話の核心が。
「いたらいいけれど」
「いないでしょ、実際」
「いるかどうかって言われると」
困ってしまいます。それを言ったらそれこそ。
「いないわよね」
「ええ、まあ」
こうこたえるしかありませんでした。そういえば本当にいません。
「タイプはそれぞれだからね」
「いなくても仕方ないわよ」
「そうなの」
「そうよ。だからやっぱりちっちは」
「年下の子を誘ってね」
「その言い方凄く頭に来たわ」
まるで私が悪女みたいです。そういうつもりは全然ないんですけれど。
「何、それ」
「だから。ちっちがリードしてね」
「年下の子に何でもって」
「いい加減にしてっ」
怒っちゃいました。自分で八重歯が見えたのがわかります。実は私八重歯持ちなんです。それが見えないように気をつけてはいますけれど。
「何よ、それ。完全に変な漫画かアニメじゃない」
「けれどねえ。年下の子だとやっぱり」
「こっちから積極的にいかないとね」
「積極的にって私達女の子よ」
自分でもよくわからないですけれど怒ってしまいました。
「そんなことって。やっぱり男の人を立てないと」
「立てるのと積極的は違うわよ」
「そういうこと」
「違うのかしら」
私にはどうしてもわからないことです。何処がどう違うのか。
「そうは思えないけれど」
「まあそれはおいおいわかるわよ」
行った本人がまた私に言います。
「ちっちもね」
「わかるって。何が何だか」
「例えばよ」
彼女の言葉は続きます。
「例えばだけれど」
「ええ」
「本当に旦那様が年下だったらその場合はどうするの?」
「その場合?」
「そう、しかも教会の人じゃない場合」
そういうケースも充分に考えられます。普通におみちの人でない方と結婚される方も多いです
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