第四十二話 竹田大尉!アメフトはハード!!その五
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「いや、あれだけだらだらした展開でも」
「亀の歩みレベルの遅さでワンパターンでも」
「人気があるとですね」
「それで連載が続くんですね」
「その通りだ、人気が全てだ」
悪田部はこの厳然たる事実を言い続ける。
「人気がないとだ」
「それで、ですね」
「打ち切られる」
「この作品もそうなんですね」
「結局のところは」
「打ち切られたくないなら人気を出す」
悪田部はまた言った。
「それだけのことだ」
「それで名作が生まれますか?」
「生まれないですよ」
二人は悪田部の言葉に毅然として返した。
「そういうものじゃないですよ」
「名作は人気に関わらない」
その時のだ。
「後世になってわかったとかあるじゃないですか」
「その作品の真価が」
「メルヴィルの白鯨とか」
「そういう人いるじゃないですか」
「作品だってそうですよ」
「その時の人気じゃわからないですよ」
こう力説するのだった。
「ドラゴンボールだってそうですよ」
「今読んだら駄作ですよ」
それも漫画界に燦然と輝くレベルでだ。
「フリーザ編以降もうそれこそ」
「読めたものじゃないですよ」
「人気なんてまやかしです」
「それで作品の価値は決まらないですよ」
「作品の価値は他のことで決まるんです」
「人気以外のことで」
「その通りだが日本は資本主義だ」
またこのことを言う悪田部だった。
「人気がない、商品として売れないならばだ」
「それで終わり」
「そういうことですね」
「売れたら正義ですけれど」
「売れなかったらアウト」
「それがこの世の摂理ですね」
「資本主義のな、若しだ」
それこそ、というのだ。
「それが嫌ならだ」
「社会主義ですね」
「そっちですね」
「社会主義国家がどんなものか知りたいならだ」
「ソ連見たらいいですね」
「あの国の歴史を」
「それでわかることだ」
まさにというのだ。
「ああした社会でいいのならいいがな」
「まあ普通は、ですね」
「ああした社会は遠慮しますね」
「今時支持する人もいないでしょ」
「少ないと思いますよ」
「そうだ、実際にだ」
まさにとだ、悪田部も言う。
「普通の人はああした国家よりはだ」
「今の日本みたいな、ですね」
「資本主義国家の方がいいです」
「様々な問題があるがな」
日本の資本主義社会にもだ、この作品世界では日帝衆の指導でかなり改善されたが問題が全て消えた訳ではないし新たな問題も起こっている。何一つとして問題も憂いもない国なぞこの世には何処にも存在しない。
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