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浪速のど根性
8部分:第八章
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ええやろ」
「ほな行くで」
「ああ。絶対に勝ったる」
 歩きはじめてからまた述べる。
「真正面からな」
 最後にこう言って試合に向かう。リングには同時に向かう。観客席の声援の中向かい合う相手は一見するとスマートな二枚目であった。
「あいつか」
「そや、原申伸や」
 セコンド役の部員の一人が言った。相手側の青コーナーの席に座っている相手は涼しげな顔をした好青年といった外見だった。
「あいつがそうや」
「下町のもんじゃ焼きの息子やな」
「その通りや」
「そうは見えへんけれどな」
 守は自分のセコンドと話をする彼を見て言った。ライトに照らされるリングの周りは多くの観客達で埋められまさに決戦の場であった。
「渋谷とか原宿か?」
「ああ」
「そこにいそうな感じやな」
 彼はそのまま感じたことを述べたのだった。
「見ただけやったらな」
「そやな。けれどな」
「強いんやな」
「めっちゃ強い」
 こう答えが来た。

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