弐章 表と裏
8.『再会』
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まった組織である。
そんな奴らの目から逃れることなんて、できないのではないか。
「……っ、レミリアに事情を話せばかくまって……」
いや、と出しかけた案をひねりつぶした。
たかが人間二人かくまうためだけにリスクを冒しはしないだろう。それが館の主としての正しい判断なのだ。
そのとき、スマートフォンに一通のメールが来た。
妖怪結社からだ。
『若木絵文の位置情報と若木東の位置情報がほぼ同じと判明した。これを受け、妖怪結社は若木兄妹を強制連行することを決定した。だが選択肢はある。若木絵文の身柄を引き渡せば、若木東は問題なく任務を続行することができ、絵文の解放条件を満たすことができる。ただしこれに従わない場合は、行動に移させていただく』
東は頭を抱えた。
結社に従ったほうがよいのではないのか?従って任務を終わらせ、そして絵文を解放してもらえばその方がいいのかもしれない。
だが、本当にそうなるのか?
任務が終わっても、誰が解放すると言ったみたいなことを言い出したり、用済みだとか言って殺すのではないのか。
その可能性の方が十分にある。この任務が終わったら兄妹もろとも殺してやるから頑張ってこいなんて言わないだろう。
東は決断した。
絵文をこの手で守り続けると。
妖怪結社に抗い続けると。
思えば、この日から全てが始まり、全てが終わったのかもしれない。
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