7部分:第七章
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第七章
「それもごっついな」
「ごっついか」
「何でも無敗らしいわ」
こう守に答えた。
「通称無敗の帝王」
「ほお」
守はその二つ名を聞いて声をあげた。
「また格好ええ名前やないけ」
「下町のチャンプとも言われとるらしいわ」
「どっちにしろ強いんやな」
「それは間違いないみたいや」
「おもろいやんけ」
守はそこまで聞いたうえでまた言った。
「その東京モン、おもろいわ」
「おもろいか」
「勝ったるで」
そして宣言した。
「俺、勝ったるわ」
「まだ決勝までいってへんのにか」
「行ったる」
言われたらこう返した。
「勝ちまくってな。言ったるで」
「完全にやる気やねんな」
「当たり前や」
返す言葉に迷いはない。
「絶対に勝つ。勝ちまくったる」
「決勝までそれで行くんやな」
「決勝もや」
今の問いに返したのも早かった。やはり迷いはない。
「勝つで。何があってもな」
「本気やな」
「俺は何時でも本気や。けれどな」
「けれど?」
「今回は特に本気や」
目が燃えていた。それが顔にも出ていた。特に目に。
「めっちゃな。俺はやるで」
「おお、登坂がマジになったわ」
「鶏冠に来たかい」
いいタイミングで駄洒落が出た。
「こらおもろいことになりそうやな」
「さて、どうなるかな。この勝負」
皆これからのことが楽しみになってきた。守はその中で燃えてきていた。そしてその言葉通り勝利を重ね遂に。決勝にコマを進めたのである。
「おいおい、東京と大阪やで」
「石原と橋下かい」
知事の名前まで出て来た。
「とにかくこらおもろいで」
「どっちが勝つんかいな」
会場は早速そんな声で一杯になっていた。この時守は大阪城にいた。試合会場からすぐ側にある。そこでまた部員達と話をしていた。
「おもろないのお」
彼はまずこう言うのだった。
「今の話。おもろないわ」
「何でおもろないねん」
「訳わからんこと言うなこいつ」
他の部員達は彼の今の言葉を聞いて目をひそめさせていた。彼等の後ろにあの雄大な天守閣が見える。五層七階の見事なものが。そして石垣が木々に隠れて見えている。それを見ているとやはり大阪城は大阪の象徴の一つであることがわかる。実に見事なものだ。
「何で東京が先やねん」
彼が言うのはそこだった。
「皆話をするのはええ」
「ああ」
「けれどな。どいつもこいつも大阪を第二に出すな」
「そういえばそやな」
「東京を最初に出しとるわ」
「ここは大阪やぞ」
彼はガンとした態度だった。
「大阪が最初に来んでどないすんねん。俺はな」
「どないしたんや?」
「今日ここに来るまでに願かけしてきた」
「何処でや?」
「決まっとるやろ」
その問いにま
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