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歌集「春雪花」
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 黄昏れて

  日も絶へ絶へに

   来ぬ人を

 待ちてや侘し

    粉雪の降る



 寒い冬…日も沈んだ黄昏時の淡い時刻…空からは淡い粉雪が舞う…。

 そんな…どことなく淋しさの増す風景を眺めていると、来てはくれないと分かっている彼を待つ自分が侘しくなり…身の置き所を無くしてしまう…。

 自分の存在する意味を…探してしまう…。



 君がため

  この身を隠し

    消え去れば

 少しは意味の

   在りしやと問ふ



 彼のために…私に何が出来るのだろう…。

 私自身、彼にとっては無用の長物ならば…彼の前から去り、一人でどこかへと行けば…それでも意味を成すのかも知れない…。

 所詮…私は無駄な人間なのだから、迷惑を掛けずにひっそりと…隠れるように生きれば良いのだ…そう問い掛けるも、答えは見付からず…。




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