第二十二話:フィルター越しの対話
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N.G】を生み出す要因になった……けれど、まだ強い霊力を帯びたまま。霧散する気配も、ない」
「つまり攻略のヒントを得る以外に使い道があると?」
「……楓子が《絶対少女黙示録》に記述すれば、何かが起きる可能性がある」
「曖昧だな、随分と」
「……今回起きた事は、私たち死神にとっても予想外中の予想外」
まあそりゃあそうか。
死人が甦るなんて話、言い伝えなどでは度々聞いたりもするが、現代では当然の事ながら聞く事はないからな。
前代未聞にも程があるのなら、推測の範疇を抜け出ないのは仕方がない。
「そういえば“楓子が記述した場合”っていったな。コイツ以外じゃあ何も起きないのか?」
「……《絶対少女黙示録》楓子の強い妄執を浴び、誕生した代物……今だ波長に染まっているのならば、そう考えるのが妥当」
「じゃあじゃあ考えて足してみようよ! マリスたんがパワーアップ出来る様な設定!」
今の今まで話に参加しなかった楓子だが、漸く口を開いて出来てたのは……意外や意外、普通にまともな意見だ。
「逆に相手を弱体化させる事も出来るだろうな」
「ね、我ながら良いアイデアだよねっ!」
無い胸を目いっぱい逸らす楓子に、俺は今だけはツッコミを入れるのも控える。
別段、可笑しな拘りを馬鹿みたいに吹聴した訳じゃあないからな、咎める理由がない。
早速自分の部屋に駆け上がっていった楓子は、やけに輝いている顔でペンを右手に《絶対少女黙示録》をめくり、白紙ページを前にして妄想を膨らませ始めた。
阿呆な事ばかり考えるこいつだが、想像力の豊かさだけならそれは称賛しても良い。
―――問題はそれが突飛かつ要らない方向まで傾いていく事だ。
今回はただパワーアップさせればいいだけなので、奇妙な長文を書き連ねられても、正直ページが無駄なだけ。
アッ、と言わせる発想は後々考えればいいのだし、今は確実性を期してほしい。
……改めて考えると不安になって来たな。
本当に余計な設定を付け加えないと良いが。
「えーと、『殺戮の天使は愛の力を受ける事で【漆黒の流星】に目覚める。この力は己の力を五倍まで引き上げる力を持ち―――』」
何故だろうか、猛烈に嫌な予感が……。
「『――――効果が切れると三倍の速度で死ぬ』!」
「阿呆が」
俺は額目掛けて掌底を放ち、思い切り仰け反らせてドタマを床に激突させた。
何とも言えない良い音がした。
「うぐほっ!? ……に、兄ちゃんは分かって無い! リスクのないパワーアップなんて美しくないよ!!」
「仮にその技が具現化したとしたらマリスは“お前の所為”で死ぬ上、見る事も触れる事も出来ないなら二度と会
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