44話
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・・・!それを私にいってどうする?」
「先生にも頼みたいことがあるので先に言っただけです。理事長にも言ったのでこの秘密は三人だけの秘密です。決して、一夏達、それに楯無さんには特に。そこだけお願いします」
深々と頭を下げる生徒を見ながら千冬は喋る。
「なぜそこまで漏らしたくない?一夏はあれだが楯無達は口は割らないぞ」
「そこが問題なんですよ。割らなかったら割らなかったで自決しかねませんからね。ま、俺が捕まらせるようなことは命に代えてもさせませんが」
そこで千冬は悟る。この生徒。いや、この男は一番に仲間達を巻き込みたくないんだと。
「・・・つくづくお人好しだなお前は」
今までの泰人の行動を思い出しフッと笑う千冬に泰人もつられたのか笑う。
「否定は出来ませんね。それに」
「それに?」
「世界最強とその人を部下にもつ人を味方につけたんだから失敗はできない」
「少し思い込みが激しいんじゃないのか?私は口は割らないと言ったが仲間になるとは言ってないぞ?」
「理事長が支援してくれるって言ってたからその部下である先生は味方と同じでは?」
「・・・理事長が言ったのか?」
「ええ。轡木理事長は快く承諾してくれましたよ」
質問をしようとしていた千冬だが一夏がぶっ倒れたのに気づいた泰人はそのまま教室に向かっていった。
だが一つだけ千冬は言葉を漏らした。そして、その言葉をたまたま楯無は通りかかって聞いてしまった。
「枢木。お前の、お前が行こうとしているその道は確実に身を滅ぼすぞ・・・!」
千冬はわかっていた。その先には何もないこと。それがわかっていたから今こうしてIS学園にいること。しかしそれを言ったところで泰人が止まるなんてことはありえないこともまた分かっていた。
「・・・くそっ!私は、私はこんなところで生徒一人守ることも出来ないのか!」
「・・・・!」
その言葉を聞いた瞬間、楯無には寒気が走った。彼がどこかへ行ってしまう?どこへ?いつ?誰と?そういった思いが頭を駆け巡り、しばらく楯無はその場に動けないでいた。
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