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IS〜もしもの世界
44話
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しろ。明らかにISの範疇を超えている」

「そうですかね。束さんならそれくらい1日で作りそうですが」

「ああ、あいつならやりかねん。だがお前のISは明らかにオーバーテクノロジーだ。お前のワンオフと武器がそれを表している」

「・・・それは否定はできないですね。でも使用者がこんななんで、今は心配ないですよ」

はははと笑う俺を冷ややかに見つめてくる先生。

「・・・お前は一体何を隠している、何故そこまで自分を隠そうとする」

「・・・!俺を隠す、ですか。また返答しにくい質問ですね。勿体ぶってはいないんですがね」

そうやって席を立つ俺は先生に言う。

「俺は、この世界にいてはいけない存在だから、ですかね。最近は本当に思うようになってきましたよ」

千冬は何処か遠くを見つめている青年をどこかで見たような気がしたが、すぐに気づく。


「枢木、お前は嘘をついている。お前のその目は私と出会う前の、束の目だ!本当は悲しくて、寂しくて、絶望している目だ。何がお前をそこまで追い詰めた?」

その言葉は俺の心に響いた。

「俺が寂しい?そうですねあながち間違いでは無いですよ」

はははと乾いた笑いをする俺は言葉を繋ぐ。

「でも、アホみたいな正義感に突き動かされてるからかこうやって自分を鍛え続けていますが、ふと思うんですよ。目の前で大切な人や仲間が傷ついて倒れていると。なんで守れないんだろう。って」

「枢木・・・」

千冬はぐっと唇を噛みしめる。自分もそんなことは何回もあった。そして今も。


「でもな枢木、お前がいたからこそ守れた人だっているんだ。そこを分からなくちゃいけない」

「・・・そうですね。でもね先生。人間ってのはそんなことで納得できないんですよ先生もそう自分に言い聞かせてること多いんじゃ無いんですか?」

その言葉をかけられたら押し黙るしか無い。実際、そうなのだから。

「俺は、俺は一夏のようにポジティブには生きられない。大切な人達が傷つくのには堪えられないんだ??それなら俺が傷ついても壊れてでも守らないとって・・・!

初めて泰人が吐いた本音に狼狽する。まさか普段ニコニコとついさっきまで楽しく弟と話していた生徒がこんな気持ちを抱えていたなんて思いもよらなかった。

「・・・すいません先生。こんな愚痴を聞いてもらって。他の人には内緒にしてもらえますか?」

「あ、ああ」

「それとこれから喋る事も他言無用で」

急に雰囲気が緊張に包まれて千冬は厳しい表情をする。

「俺は、ある部隊を造ります。目的はまだ言えませんが学園には手を出さないと約束します。ですが、束さんが行き着く先が人が入る場所ではないところなら俺はー」

ある言葉を呟く。



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