7話 天使のような死神(グリムリーパー)
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アメリカに潜入し、協力者を通じ、国内すべてを取り仕切ろうと試みています」
ミカエルの幼い声のせいでまじめに話が聞き入らない。
「見ていいですか?」
リーナは1つのファイルを取り、3枚をペラペラと眺める。
「すごい。まるでゲームの攻略本みたいに難易度や守りの薄い部分を的確に表にしている」
リーナでも歓声を挙げさせる内容なのだ。きっとすごいに違いない。
「それで、カリヒさん。どれから攻め入りますか?」
リーナは僕にファイルを見せてくれる。
僕はそれの中で難易度を見て、基地の重要性を確認する。
「そうだな。一番危険性があるやつを先に殲滅しよう。それで僕たちの安全が左右されるからね」
しかし、リーナは否定した。
「武器的な問題で難しいと思います」
「まあ、残弾と相談してね。どれくらい残ってる?」
僕がそれを聞くとアーシャは残念そうな顔をして答えた。
「ショットガンの弾が60発で、サブマシンガンがマガジン4つに約70発、それからライフルの弾が12個と非常に少ないです」
この状況下からして、最も最適かつ安全に制圧できる場所はここから約6キロほど離れたアパートだ。
「ここのアパートの104号室はどうだ?ここなら入口は1つしかないし武器の数も限られてくるだろう。まあそのせいで戦利品の量が極端に少なくなるだろうな」
今の考えを彼女らに説明した。
するとミカエルは賛成の意を込めて話す。
「確かにいいかもしれませんね。これなら銃を使わずに敵を制圧できそうです。カリヒさん。閃光手榴弾ってどれくらいありますか?」
「7つ。使い捨てカメラの中にあるマグネシウムを入れて着火するとてもシンプルなつくりだけど、十分すぎるほどにまぶしくなると思うよ?」
僕は段ボールから閃光手榴弾もどきであるペットボトルを見せる。
「発動する危険性も存在するから、念には念を入れておいたほうがいいね」
僕はもう1つの段ボールから瓶を取り出した。
「これは少量の火薬で瓶と金属の破片を爆発させる投擲型クレイモア。全方向に飛び散るから投手にもリスクが及ぶんだ。だから極力使わない方向で行こう」
深夜2時を回った時間帯。最近では電力不足もかなりの問題になっているため、この州では夜11時から3時までの4時間、計画停電を行っている。その分家賃も安いと資料には記載されていた。ほとんどの人はやることがなく、すぐ就寝するだろう。
「作戦の確認だ。僕が先にピッキングをして中に入る。もしも敵が起きていたらその場で殺す。そのあとみんなは武器とお金を押収してくれ」
僕はざっくりと説明を加える。
「あの、やることが泥棒みたいで正直私気が引けるんですが…」
メリラは目を半開きにして僕の耳元でつぶやく。
「君の場合はア
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