暁 〜小説投稿サイト〜
殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
7話 天使のような死神(グリムリーパー)
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トラックの運転席に乗っていた。トランクには武器とアーシャが座っていた。
 「メリラ。助手席に乗れ」
 「え?あ、はい」
 後ろからの追跡を防ぐために銃を構える。
 「どこへ逃げますか?」
 「空港です」
 走行しながらリーナが答える。
 「SRAから増援が来ます。空港で待っているそうです」
 僕は武器をスーツケースに仕舞う。
 

 僕たちは、その増援とやらが来る空港の駐車場にトラックを止めた。勿論、その前にナンバープレートやトランクをブルーシートで隠すなどの手は打っている。
 「さて、新人さんを待つか」
 「カリヒさん」
 俺は駐車場付近を左右に確認し、追手や警察関係者が居ないかを見ながら言葉を呟くと、アーシャはおどおどと俺の肩を突いた。
 「車を取り敢えず買いませんか?」
 「そうだな」
 僕は彼女の意見に載った。
 「アーシャ。いい考えだけど、この中で誰も免許を持っていないの」
 「そうですね。すみません。適当に言いました」
 「いや。車は金さえあれば買える。正規のルートじゃなくてもいいんだから」
 僕は軽トラの鍵を抜き、確認する。鈴奈は無事だろうか?無事だとしても捕まっているに違いないと、僕の脳裏ではそのことでいっぱいだった。
 「増援って何人なんだ?」
 駐車場でじゃまにならないように会話をする僕達。
 「…1人です」
 「増援じゃなくて護衛だね」
 僕は期待せずに空港内に入る。怪しまれないように僕だけが行った。
 確かリーナは僕が知っている人だと言っていた。正直誰でも同じだろう。そんな事を思っていると、地味なキャリーバッグを持った女の子が僕の近くに機嫌よく歩いてきた。
 「ああ。君か」
 予想通りといえば予想通りなのだろうか?逆に、僕が知っている本部の人間と言えばこの子しか居ない。
 「久し振りだねミカエル」
 僕が声をかけると、彼女はにっこり笑った。
 「お久しぶりですカリヒさん」
 彼女の幼く見えるその表情は一体何を表しているのだろうか?
 「あのさ、クロノスっていう強敵のせいで僕たちの拠点がなくなったんだ。だからそのせいで、今はトラックで生活しているんだよ」
 「そうですか。もしかしてそのトラックって軽トラですか?」
 「ここから見える?」
 「ええ。すごく目立ってなんだあのおんぼろトラックはと飛行機の中で言われていました」
 「拙いな」
 目立ってしまったらいろいろなリスクが迫る。
 「冗談です。そんな深刻な顔をしないでください」
 「なんだよ。びっくりした」
 「はい。カリヒさんが見えたので」
 僕は冷や汗を手首で拭い、ミカエルをトラックへと案内した。
 

 クロノスは再び戦場に赴くために銃を手入れしていた。
 「やっぱり。気づいたら俺はいつ
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