43話
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すね。ですが」
顎を狙った掌底を躱し、足を絡め押し倒す。
「一本ですね。あの一撃が鳩尾に入ったら負けてましたよ」
「・・・まったく、本当に悔しいわ」
と立ち上がりながら制服の裾を手で払う。
「ははは。まあ非公式なんで許してくださいよ」
「負けたことも悔しいけど全力を出してくれないことがもっと悔しいのよ!」
「・・・あはは」
苦笑いするしかない。俺の全力は、すなわち殺人拳、殺しを目的に鍛えているので柔道でしか試合では本領を発揮できなかった。それに、女の人に手を出すこと自体気が引けるので全力は出せる筈もなかった。
「・・・そろそろ終わりますか」
「そうね、またあとで」
「・・・・・ん?」
気のせいだろうか、これで解散ではなく後でと言っていた気が。
「勝手に帰ったらお姉さん許さないんだからねー!」
考え事が漏れたのか釘を刺される。分かってますよーとだけ返事をして自分も汗を流しにシャワールームに行くために足を動かした。
「・・・なんで」
「・・・(もぐもぐ)」
「なんでここにいるんですかねぇ?」
「今さらじゃない?あ、このお菓子美味しいわね」
何事もないようについてきて、何事もなく俺のベッドで寝転んでお菓子を食っている生徒会長、もとい楯無さん。
「今さらって・・・それおれが隠したお菓子・・・しかも大会前日に買っておいたのになんでバレてるんだ・・・」
「え?これ昨日見・・・ゲフンゲフン、ちょうど怪しい棚を調べて出てきたのよ。あと今日からここに住ませて貰うわね」
「あーそーですかーって住む??」
「ええ?何か問題でも?」
「問題しかないですよ??しかもここ1人用だからベッドも足りないしー」
「ああ、貴方って余計なもの置かないから。ほら」
と指を指された方向を見ると普通にベッドが鎮座していた。いやよくないけど。
「なんかデジャヴを感じる・・・」
「前の時は、結局なあなあで私帰っちゃったからね。でもこれからは正式にここの住人よ。これからよろしくね泰人くん?」
トントン拍子でことが進んでいく・・てか俺がいない間に決められていたようで。すでに一夏も周りの生徒にも認知されていた。
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