暁 〜小説投稿サイト〜
浪速のど根性
4部分:第四章
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
た」
「後で祝勝会やな」
「ああ。インタヴューもあるしな」
 ここでまた新聞部員をちらりと見た。
「全く。いつも好き放題書いてくれるわ」
「そう言うな」
「それも仕事のうちや」
 そんな話をしつつ勝利を噛み締めていた。彼は強かった。その強さを保つ為にトレーニングも欠かさない。勝ったその日も家に帰るとランニングだった。
「よお続くわ、ホンマ」
「ボクシングとお店のことだけは熱心やな」
「当たり前じゃ、アホ」
 弟と妹達に対して言葉を返す。
「この二つだけは止めんで」
「まあ家の仕事は止めたら飯抜きやしな」
「それは当然としてや」
「ボクシングかい」
 ランニング帰りの汗を流した顔で彼等に応えた。
「これは俺の二つの生きがいのうちの一つや」
「もう一つあるんかい」
「言うとくが勉強とちゃうぞ」
「ああ、それはわかっとるから」
 弟がこう返す。
「兄ちゃんが勉強してんの見たとこないしな」
「それだけはうちもわかるわ」
 妹も続く。
「兄ちゃんがアホやってことはな」
「だから僕等は勉強も頑張るんや」
「兄ちゃんみたいになりたないからな」
「俺は反面教師か」
 弟達にじかに言われて流石に気分が悪い。だからここで彼等の名前を出して怒った。
「こら譲、沙耶」
「何や?」
「アホは薬でもなおらんで」
「そんなん言うてるんちゃうわ」
 とりあえずそれは強引に押さえつけた。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ