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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第46話 御剣カイトと陽海学園
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 そんな時だ。 

「……あんた達…、 話を聞く限り陽海学園に入学する生徒さんだね?」

 この座席は、最前列だ。故にバスの運転手にも話しが聞こえていたのだろう。だから、話しかけてきた。

「あ はい」
「ん。そうだよ」

 間違いではない為、2人は普通に返事をすると……、何故だか、運転手はニヤリと笑いだしたのだ。

「ヒヒヒ……、 だったら覚悟しておく事だ…… ヒヒヒ この長〜いトンネルを抜けるとすぐ学校だ」

 何故だか、判らない。 その運転手の背景(バック)におどろおどろしい、雰囲気が、オーラが見えた気がした。不穏な気配を具現化したのだ。驚かない方がおかしい。

「……はああっっ!!」

 それを本能的に察したのだろう。月音は盛大に驚きの声を上げて。

「いや、ちょっと落ち着こうよ。と言うより、煩い」

 突然、隣で大声を上げられたら、いい迷惑だ。
 気持ちは判るし、面白いんだけど……、そこは ご愛嬌。

「ヒヒヒ…陽海学園は恐ろしい学校だぞ〜〜〜!!」
「ええええええ!」
「へぇ〜……それは楽しみだ」

 月音の驚く声。心底楽しそうに、頬を緩め、良い笑顔を見せるカイト。


 そう奇々怪々な学園生活が今始まったのだった。


 長いトンネルを抜け、バスの運転手の言うとおり、すぐに目的地へと到着した。
 そこは、もう殆ど別世界といっても過言じゃない。空や海、大地と大体の自然は揃っているのだが、殆どが自然のもの、人間の世界で言う(・・・・・・・・)自然のものじゃない。

 明らかに空の色がおかしい。

 そして、不気味なジャックオーランタンのバス停の前に停車した。

「ヒヒ……着いたぞ 少年達… では、気をつけてな…」
「ああ、送ってくれて どうもありがとう。それも無料(ただ)で」

 カイトだけは、運転手に礼を言った。何せ、バス代も無料なのだから、非常にありがたい。身分を証明できなければ、働く様な事も出来ないし、一からそれを全て揃えようとしたら、どれだけ大変なのかが判らないからだ。
 それに、この世界ででは、自分は、存在しない筈(・・・・・・)だから。

 月音は、降りた事は降りたんだけど、放心状態になっていた。

「(そりゃそうか…… こんなおどろおどろしい場所じゃ。オレにとっては、見慣れた光景だけど。……それもおかしいかな? 漫画だし……)

 月音の反応をカイトは楽しそうに見ていた。逐一反応が大きく、ツッコミ易いから。

「…ちょっといいかな? 少年…」

 そんな時だ。
 閉まったバスのドアが再び開いたかと思えば、運転手が話しかけてきた。

「ん? オレ? 何かな』

 バスの扉が閉じた時点で、もう帰ってい
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