第二百三十九話 伊賀攻めその一
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第二百三十九話 伊賀攻め
信長の大軍が伊賀に迫っていることは魔界衆達もわかっていた、それでだ。
主な者達がだ、闇の中で話していた。
「来るな」
「明日にもな」
「大和の者達が来るぞ」
「ここにまでな」
まさにとだ、彼等は話していた。
「ここを取り囲むつもりだ」
「そして一気に攻めて来る」
「織田信長自ら来て」
「そしてだな」
「我等を滅ぼすか」
「そうしてくるつもりか」
「ならば来るのだ」
強気の言葉であった。
「既に戦の用意はしてある」
「何時でも戦える」
「例え天下の軍勢が来ようともな」
「我等は負けぬ」
「決してな」
「その通りじゃ」
あの老人の声もしてきた。
「抜かったわ」
「いえ、まさかです」
「あの様に生きているとはです」
「誰も思いませんでした」
「決して御前のせいではないかと」
「織田信長のことは」
周りはこう老人の声に言った。
「生きていたなら仕方なし」
「ならばこれからどうするかです」
「織田信長をどう倒すか」
「そのことです」
「そう言ってくれるか、ならば」
周りの言葉を受けてだ、老人の声も述べた。
「ここで迎え撃つ、そしてな」
「ここで倒せねば」
「我等が退くことになれば」
「あそこで、ですな」
「あの者達を呼び」
「そしてそのうえで」
「戦うのですな」
周りも言うのだった。
「その様にですね」
「されますね」
「うむ」
その通りという返事だった。
「そうしようぞ」
「わかりました」
「ではです」
「その様にしましょう」
「ここで負けても」
「次はですな」
「あそこで戦いますな」
こう老人に応えるのだった。
「ではその備えもしておりますし」
「ここではですな」
「まずは戦い」
「そのうえで」
「伊賀で倒せればそれでいい」
信長とその軍勢をというのだ。
「しかしじゃ」
「それが果たせぬのならば」
「その時はですな」
「明や南蛮の奸民達を抱き込みましたし」
「あの者達も利用し」
「そのうえで」
「うむ、その時に倒す」
そうするというのだ、こう話してだった。
魔界衆も戦の用意を整えていた、だが鬱蒼とした木々の中彼等の姿は見えなかった。それでなのだった。
伊賀の百地家の領地を囲んでからだ、先陣を務める明智は険しい顔になりそのうえで斎藤と秀満に言った。
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