第二百九十六話
[8]前話 [2]次話
第二百九十六話 割って戻すこと
割って戻す、土の魔法の一つである地割れの魔法についてだ。
梨花は深く考えつつだ、自分の部屋で勉強机に座りながらそのうえで自分の手元にいるピエールとジュリエッタに言った。
「割ることも滅多に出来ないし」
「その割れ方も僅かですね」
「数センチ程度」
「幅は一センチ」
「それ位ですね」
「割っているうちに入らないわ、それにね」
さらに言う梨花だった。
「戻すことはね」
「全くですね」
「そちらは」
「それで地割れを埋めている」
「今はそうした状況ですね」
「ええ、アスファルトはとてもだし」
そこで地割れを起こすことはというのだ。
「柔らかい土のところだけで」
「砂場等」
「そうした場所ですね」
「そうした場所では出来ますが」
「十回やって一回程度」
「それ位ですね」
「地震は土の魔法でもかなり高位でね」
それでというのだ。
「使いこなすことは難しいの」
「そうですね、では」
「今は無理でしょうか」
「確かにご主人様の魔法は素晴らしいです」
「見事な腕を持っておられます」
「ですが地割れの魔法はかなり高位」
「ですから」
確かにクラウンのリーダーであり魔法も七人の中でも特に上手な梨花でもだ、流石に地割れの魔法はというのだ。
「ここは止められて」
「他の魔法を学ばれるべきでは」
「チャレンジしないで」
「はい、そうです」
「そう思いますが」
こう言うのだった、だが。
梨花は難しい顔でだ、使い魔達に言った。
「諦めたくないわ」
「地割れの魔法をですか」
「身に着けられたい」
「そうお考えなのですね」
「どうしてもね」
腕を組んでもいる、表情だけでなく姿勢にも感情が出ていた。
「そう思っているけれど」
「ですが」
「それには」
使い魔達は主の気持ちはわかった、だがそれでもだ。梨花にその魔法はまだ早いのではないかと思うのだった。
第二百九十六話 完
2015・12・6
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ