第六幕その八
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「おや、これは」
「おじさん、お久し振りです」
「ジュリア嬢がここまで来るなんてね」
「はい、実は」
ジュリアはその男の人に事情をお話します。
その様子を見てです、ジョージは臆病ライオンとチクタクに尋ねました。
「この人が」
「うん、ロンドのお父さんだよ」
「オズの国一のーースパイスのーー作り手ーーです」
そうだというのです。
「この方がね」
「そうーーなのーーです」
「そうなんだね」
「そうだよ」
ロンドもジョージにお話します。
「僕のお父さんだよ」
「そうなんだね」
「それで僕はね」
ロンドはジョージににこりと笑いながらお話します。
「お父さんに言われてなんだ」
「あそこまで行っていたんだね」
「そうだよ」
まさにその通りだというのです。
「そうしていたんだ」
「成程ね」
ジョージも納得しました、そして。
お話が終わったところで、でした。
お百姓さん、ロンドのお父さんはロンドにも顔を向けて笑顔で言いました。
「事情は聞いたぞ」
「僕のこともだね」
「ああ、よかったな」
「お陰ですぐに見付かったよ」
ロンドも自分のお父さんに笑顔で答えます。
「本当にね」
「そうだな、それじゃあな」
「スパイスは後で渡すけれど」
「ジュリアさん達にスパイスを渡す」
もう決めていました、このことも。
「折角ここまで来てくれたし、それにな」
「オズマ姫のお願いだから」
「断る筈がない」
そのお髭のお顔を綻ばせて言うのでした、
「絶対にな」
「そういうことだね」
「これからスパイスを取って来るからな」
「じゃあその間は」
「御前がジュリアさん達とお話をしてくれるか」
「それじゃあね」
こうしてお父さんが戻るまでの間ロンドはジュリア達とお話をすることになりました、ジュリアはその状況になってこう提案しました。
「お茶を出そうかしら」
「お茶を飲みながらですか」
「ええ。お話しない?」
ロンドににりと笑って提案します。
「これから」
「お願い出来ますか?」
「ええ、いいわよ」
にこりと笑ったままロンドに応えてです。
ジュリアは早速です、テーブル掛けを出してそこにティーセットを出しました。そのティーセットを見てでした。
ロンドは驚いてです、こう言いました。
「豪華ですね」
「うふふ、そう言ってくれるかしら」
「紅茶だけじゃなくて」
三段セットです、上はクッキー中はチョコレートケーキで下はドーナツです。ロンドはそのセットを見て言ったのです。
「おやつを三つも出して」
「ティーセットだからよ」
「それで、ですか」
「ロンドはティーセットを食べたことないの?」
「はい、うちも毎日おやつは出ますけれど」
それでもというので
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