第二話
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急いで走れ!」
俺の言葉に反応してみんなが一斉に走り出した。そして駐車場にたどり着き、俺達はマイクロバスにたどり着く事に成功した。
「先生!早くエンジンをかけて直ぐに<奴ら>が集まってくるぞ!」
「そ、そんな急かさないでよ田中君!」
とっさに使った手榴弾だが、あの音で目の前にいた<奴ら>を目をごまかしたが、あれで学校全体の<奴ら>が群がってくるんだ。早く脱出しないとまずいぞ。
「全員乗車したか!?」
「後は私と小室君だけだ」
「よし出せ!」
全員が乗車を確認して出発しようとした時だ。
「っくれえ!!」
他にも生存者がいたようだ。あれは確か紫藤じゃなかったかな?模倣的な先生とされており、評判が良いが、俺からすれば裏では他人を見下して自分が選ばれた人間だと勘違いしている馬鹿なクソガキという印象しかない。
まあ、それを大半の人間に見破られないあたりは優秀だと認めるが、悪いが優秀と好きは別で、おれからすればあんまり関わりたくない人間だ。前世の前口上だけは一丁前の上司と被るからだ。
「あんなやつ助ける事ないわ!」
「麗。なにいってんだよいったい」
「助けなくていい。あんな奴。死んじゃえばいいのよ!」
小室と宮本が言い争いとなっている。
「こんな時にケンカすんな」
「あんたはアイツを助けるって言うの!」
「別にどうだっていいよあんな奴」
だって個人的に嫌いな人種だもんアイツ。
「だったら」
「ああもう、うるせえ!アイツがバカやったらこいつを眉間にぶち込む!それでいいな!」
そう言って俺はハイパワーをちらつかせて宮本を黙らせる。こんな時に騒いでるやつほど後でめんどくさい事になりかねないしな。宮本はまだ不満げな表情を隠さずに俺を睨み付けて後ろの席にいき、小室もそれに続く。
「君は本当は過激な性格をしているんだな」
「こんな非常時に行動しないでビクビクして助かると思うか?俺は生き残るのに必要と思って行動してるだけだ」
毒島の中で俺がどんな人間か気になるが、あまり気にしないでおこう。それから紫藤達もバスに乗り込んで、ついに学校を脱出する時がきた。鞠川先生はクラッチをローにしてアクセルを踏んでマイクロバスを動かした。次々とシフトアップを繰り返すマイクロバスのスピードは徐々に上がっていく。
「もう人間じゃない……人間じゃない!!」
校門にいる<奴ら>を吹き飛ばして学校を脱出した。正面の窓には<奴ら>を吹き飛ばした血痕が見えるが、皆は気にしない。そして危機を免れた俺達だが、まだ俺達は本当の意味で危機を脱している訳ではないのだ。
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