Chapter T:to the beginning
第01話:邂逅
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らの剣と何ら変わらない。結果として、ミシミシと音を立てていたオッタルの剣は、粉々に砕け散った。
これにはオッタルも驚きを隠せない。今まで『不壊属性(デュランダル)』が壊れるなどと聞いた事すらないのだ。そもそも壊せるものだという話も聞いたこともなく、そういう認識すら無かった。それが今、目の前で為されたのだ。
「だが、まだ足りん。這い上がって来い、オッタルよ」
そして、ラインハルトの一撃によって、オッタルの意識は刈り取られた。
オラリオの中央にそびえ立つバベルの最上階に、その神はいた。
美の女神、フレイヤ。世界一と呼び声高い美しさを持ち、そしてオラリオで【ロキ・ファミリア】とトップを争う【フレイヤ・ファミリア】の主神だ。
オラリオを見渡すガラス張りの部屋で、フレイヤは上機嫌に葡萄酒とグラス、そしてテーブルや椅子などを準備していた。普段この部屋にいて、こういった雑事を行うオッタルは今この場にはいない。何故なら先程バベルの頂上に現れた者の対処に向かったから。
ではなぜ、フレイヤが上機嫌で普段はやらない事を自らやっているのか。
最初は全く関心が無かった。突然現れた事には驚いたが所詮オッタルの敵では無いだろうと。
だが、オッタルだけでなくアレンなどの主戦力達も向かったため、興味が湧いた。一体どのような者が現れたのかと。
そして、見たのは『黄金』。オッタルを歯牙にもかけない圧倒的な強さと、滲み出る覇気。まさしく『黄金の獣』だった。そして、フレイヤは思ったのだ。
―― 欲しい、と。
今まで気に入った子供たちを様々な手法で手に入れてきた。その時その時でその子供たちを気に入って真剣に取り組み、そして自らの眷属としてきた。
だが、今はそれすら些事に等しい。
一目惚れと言っても良い。これほどまで欲しいと思った事は今まで一度たりとも無かった。オッタルを手に入れようとした時ですら感じなかった感覚だ。全ての財を無くしてでも欲しいとすら思えてしまう。おそらく、あの『黄金の獣』を手に入れられるなら、今いる子供たちが全滅したところで何の感慨も湧かないくらいに。
だからこそ、フレイヤは手始めに"歓迎"の準備を進めていたのだ。そして――
「ふむ。卿が神フレイヤかね?」
「ええ。歓迎するわ。ラインハルト・ハイドリヒ。」
フレイヤは部屋へと入ってきたラインハルトへ蠱惑的な笑みを向けた。
部屋に入ってきたラインハルトと、それを快く迎え入れたフレイヤだったが、先に動いたのはラインハルトの方だった。
「まず、謝罪しよう。防衛の為とは言え、卿の眷属を傷つけた事をここに陳謝する。」
そして、軽く頭を下げたラインハルトが右手を挙げると、ラインハルトの影から先程まで戦闘をしてい
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