Chapter T:to the beginning
第01話:邂逅
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がラインハルトへと特攻を仕掛けた。
無論、その攻撃はラインハルトに弾かれる。
「むッ」
そう、見えなくても弾かれると分かっていれば対処は出来るのだ。
全員の特攻はブラフ。そう、攻撃では無く防御。幾らラインハルトの方が強くとも、手加減しているならば一級冒険者7名で受け止めることは出来る。
「うおおォォッッ!!!!」
そして、無防備になったラインハルトの首にオッタルの本気の一撃が炸裂した。
そして、その一撃の轟音はバベルの頂上からオラリオ中に響き渡る。
突如として発生した爆音にオラリオの全てが止まり、オラリオに住む皆の視線がバベルへと向けられた。そして、殆どの一般人と冒険者達がまた日常に戻って行く。
そんな中、一級と呼ばれる者達だけは、ずっとバベルの頂上から目を離さない。彼らは見えないながらもその肌で感じていたのだ。極大とも言える戦意の塊を。そして――歴史が変わる瞬間を。
「なっ...嘘...だろ」
それがその場にいた誰の呟きだったかは分からないが、それは皆の感想でもあった。勿論、それは攻撃を放ったオッタルもだ。何せ、本気だったのだ。全力では無いにしても、バベルが壊れないギリギリの出力に持ち得る全ての技術を詰め込んだ、渾身の一撃だったのだ。それを――
「素晴らしい一撃だった。大儀である。」
傷一つない、ラインハルトの首が受け止めていた。それどころか、その場から動いてすらいない。オッタルの渾身の一撃をもってしても、押し勝つ事すら出来なかった。
「邪魔だ」
そして、ラインハルトを抑えていた7人が腕の一振りで吹き飛ばされる。少しだけ手加減をやめたラインハルトの力に先程まで彼を抑えていた7人は驚愕する。
「やれ、『マレウス』」
そして、ラインハルトの影がバベルの頂上に広がり、受け身をとった7人も、オッタルも、その影を踏んだ者全てがその場に縫いとめられた。
「な、何だこれ!?」
「う、動けねえ。魔法か?」
今までダンジョンを冒険してきた彼らですら見たことが無い能力に驚くも、何もすることが出来ない。そしてそのままオッタル以外の7人が影に飲みこまれた。
「さて、これで邪魔者はいなくなった訳だが...どうした。随分と嬉しそうでは無いか」
そして、渾身の一撃をラインハルトの首一つに受け止められていたオッタルの顔には、明らかに獰猛な笑みが浮かんでいた。
「ああ、嬉しいとも!この圧倒的強者に立ち向かう感覚!実に久しい!」
「そうか。【猛者(おうじゃ)】オッタルよ。卿を英雄の器であると認めよう。」
そして、ラインハルトは首で止めていた剣を握りしめる。手加減をしていない彼からしてみれば『不壊属性(デュランダル)』と言えどそこ
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