4部分:第四章
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それを見て心の中で呟いた。
「スクイズか犠牲フライを警戒して」
先生の言う通りだった。特に一二塁間とライトの動きが独特であった。
「そう来るのならやっぱり」
意を決した。そうして相手ピッチャーの動きを見ながら構える。彼は粘り強い打撃でも有名であった。まさに二番バッターと言うべき存在であった。
難しい内角のシュートを思いきり三遊間に叩きつけた。するとボールは勢いよく内野の頭を越えた。鮮やかなレフト前ヒットであった。
「よし!」
先生もナインもそれを見てベンチで歓声をあげた。彼等だけでなくグラウンドからも声があがる。
「よくやった!」
「今のは!」
言うまでもなくタイムリーだった。達明は一塁ベース上でにこやかな笑みを浮かべていた。
「この一点は大きいぞ」
「はい」
国友が先生の言葉に頷く。
「そうですね」
「あいつ、やっぱりやってくれたな」
先生は笑顔で言うのだった。
「期待通りに」
「じゃあ後はこの一点を守りましょう」
国友はそう言った。
「それで俺達の勝ちです」
「ああ、頼むぞ」
先生は会心の笑みを浮かべてそう彼に返す。
「それで俺達は甲子園初勝利だ」
「ええ」
この一点は大きかった。達明の殊勲打だった。しかし相手も必死であり負けるわけにはいかない。敵の四番打者が終盤になってソロアーチを放つ。データで徹底的に調べた弱点を衝いた攻めだというのにそれを撥ね返されてしまったのだ。
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