暁 〜小説投稿サイト〜
提督がワンピースの世界に着任しました
第07話 新たな可能性
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精さんと加賀で集まり頭を悩ませる日々がしばらく続いた。
 けれど、開発資材を使わないで艦娘の新規建造に関してはかなり煮詰まってしまい、新たに艦娘を建造することは無理だろうかと諦めかけていた俺達は、艦娘建造については一旦置いておくことにして、気分転換に全然別の事、物品整理の時に気になっていた不可解な物について調べることにした。

 その不可解なものとは、果物である。それは今まで見てきた記憶にある果物とは、どれとも一致しない。手に入れた時は四方が15cmぐらいの大きさの、木でできた古ぼけた保存箱に大事に保管されていた。ソレが今手元には3つあった。

 この果物は一体何なのか、何故1つずつ分けて保存箱に厳重に保存されていたのか、かなり価値のある物ではないのか、色々と考えたけれど答えは見つからず観察して調べることになった。

 果物の見た目を説明すると、3つそれぞれ微妙に違っていて、ひとつは表面が薄い赤色、もうひとつは水色、そして最後のひとつが紫色と見た目からは食欲が失せるような色をしている。で、3つが共通している部分は表面が唐草模様とか言うようなグルグルに渦巻いていて、実の表面部分が絡みあって球体状になっている。果物の大体の大きさは、りんごと同じか少し大きいぐらい。

 匂いは無臭だったので、赤色の実を半分に切って中を見てみると、中も赤色をしていて見た目が悪い。
 毒性について機材を使って調べてみたが、特に反応はなかった。

 最終手段として、表面部分を少しだけ削って少量を口に含んで見た。すると、とんでもなく不味い。エグみがひどくて、とてもじゃないが食べられるような代物ではなかった。

 加賀も味見と称して謎の果物を口に含んで、いつもの無表情な顔をハッキリと歪ませて「不味い」と一言コメントして二口目には手を伸ばさなかった。

 何故こんな不味い物が小箱に大事に保管されていたのか理解できないが、もしかすると俺達の知らない正しい調理法がある高級食材なのかもしれない。けれど、今の俺達には一切の知識がないために、今のところこの果物に関しては活用しようがない。しょうがなく倉庫にしまっておくかと考えて片付けようとした時、妖精さんが待ったをかけた。

「もしかしたら、開発資材の代わりになるかもしれません!」
 何を思ったのか、妖精さんは謎の果物を開発資材の代わりとして艦娘の建造を試みることを提案してきた。どうやら、妖精さんは謎の果物に何か感じていたようで新艦娘の建造の成功を疑っていなかった。

 そして、本当に謎の果物を触媒にして艦娘を一人新たに建造することに成功したのだった。
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