【ソードアート・オンライン】編
122 茅場 晶彦
[1/4]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
SIDE 《Kirito》
「ここは一体…」
――「ここはある意味世界の終焉≠ニも呼べる場所だよ。……ゲームクリアおめでとう、キリト君」
俺の投げ遣りの問い掛けに答えたのは先ほど斃したはずの人物だったが──その様相は違っていた。……見馴れていた白衣。先ほど斃したはずの人物同様≠フ抑揚の無い声音──それらによって、はじまりの日≠ノ懐いた激情が掘り起こされる。
「茅場 晶彦…っ!」
「ふむ、大分嫌われてしまったようだね。……やはりそれ≠ェ人間≠ニして、正しい感情なのだろう」
「……っ!!」
その取って付けた様な声音の言葉にまた、俺の心が掻き毟られる。人≠ニ云う箇所が若干違うイントネーションだったが──心が粟立っている現状では、そんな些細な違いに気付けるはずが無かった。
「……さて、歓談もそろそろにして──君に会いに来たのは勿論の事ながら理由もある。……祝言以外の内容を伝えに来たからなのだよ」
祝言以外の内容?>氛氓ニ頭を捻る暇も無く、茅場は手を振りメニューらしきものを呼び出し、それと同時にポリゴン体が集まってくる>氛气vレイヤーが転移してくる時と同じ様な現象が起きた。
「パパ──いえ、キリトさん。……ゲームクリアおめでとうございます」
「ユイっ!」
俺はわき目も振らず、ユイに駆け寄りもう離すもんか≠ニ云わんばかりにユイを抱き締める。……そうだ──そうだったのだ、このゲームがクリアされたと云う事はユイとももう会えなくなる可能性もあったのだ。
……すると自ずと疑念も涌く。
「茅場、ユイに何をした? ──いやそれよりもキリトさん≠チて一体…」
「キリトさん──私、ここ≠ノ喚ばれる途中に全部思い出しました」
俺の勝手なイメージなのだが、茅場 晶彦=無駄を好まない男≠ナある。それが疑問だった。……そして疑問が疑問呼び、茅場へユイの俺への二人称≠ェ変わっている事を問い詰めるが、その疑問に答えたのは胸元で所在無さげにしているユイだった。
「私、パパとママ──キリトさんとアスナさんに嘘を吐いていました。嘘吐き≠ニ詰られても仕方ありません」
たん、と苦悶の表情を浮かべつつ軽やかなステップで俺から距離を置いて、ユイは更にそう言葉を続ける。……そんなユイの所作からは、前まで──リズに預ける前までにユイから感じる事が出来ていたたどたどしさ≠ェ感じられなかった。
「……改めて自己紹介します、私はM(メンタル)H(ヘルス)C(カウンセリング)P(プログラム)試作1号>氛氈sYui》…。……それが私に与えられたコードネームです。……私はプログラムです」
「ユイ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ