暁 〜小説投稿サイト〜
普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
122 茅場 晶彦
[4/4]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
なことをしてしまったのか≠本人から聞きたくなった。

「……あれ≠見たまえ」

「あれ≠ヘ…」

茅場やユイの登場で気付かなかったが──茅場の指を指す方向を見たら、その(おおぞら)に崩れ往く巨大な建造物を見た。……この位置でも見える事から、実物≠烽チと巨大なのだろう。

……もちろん、それが実在するのなら>氛氓フ話なのだが、俺にはそれが実在していた様に思えた。……だってそこ≠ノ、俺達10000人のプレイヤーは2年の月日に(わた)り囚われていたのだから…。

「……【浮遊城・アインクラッド】…」

「そう。黄昏に浮かぶ天空の城>氛沁達のまだ知らない場所にそんな城があると考えれば、中々浪漫のある(はなし)だろう? 私はずっとこんな風景に憧れていたのだよ。……だから私は幻想≠ノではなく現実≠フ世界にその城≠求めた。……デスゲームだったのは──」

「現実≠現実¢ォらしめるためか…」

茅場の言葉尻を奪い、そう加える。すると茅場我が意を得たり≠ニ云わんばかりに頷く。

「む、そろそろ時間のようだ」

茅場はそんな感じであっさりと消えていった。残されたのは俺とユイの2人(?)だけだった。気が付けばメニューのカウントも動いていた。……もう時間はあまり残されていない。

「キリトさ──む゛っ」

「誰がキ・リ・ト・さ・ん≠セって? ……パパ>氛氓ニはもう呼んでくれないのか…?」

またキリトさん>氛氓ネどと他人行儀に呼んでくる愛娘(ユイ)≠フ頬っぺたをぐにぃ、と伸ばしてやる。……む゛ーむ゛ー≠ニ呻く愛娘(ユイ)≠フその様を見て愛おしく思えてしまう自分は、もう既に相当の親バカなのかもしれない。

(……げに恐ろしきは遺伝か…)

俺の両親も、早熟だった真人兄ぃに手間を掛けられなかった分、その皺寄せが俺とスグに来ていた。……そして、俺にもそこら辺の遺伝子もちゃんと継げていた様で──なんだか嬉しく思える。

「……またパパ>氛氓ニ、呼んでいいのですか…?」

「もちろん、良いに決まってる!」

「……っ! ありがとうございます! パパ!」

どこかおずおずとしたユイにそう言い切ってやる。するとユイは喜色満面の笑みを浮かべて──涙を流しながら抱き締めてきた。……その時、時間≠ェ来たのを理解した。

(俺も時間か…)

「私──待ってますから!」

「ああ、必ずだ!」

ユイのそんな言葉に返答しながら、心地好い虚脱感に身を委ね──この世界から脱却出来る≠ニ云う事実を、ただただ噛み締めていた。

SIDE END
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ