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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
121 神の黄昏
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うと茅場さんはなぜだか呆れた様な表情をする。

「……人の事を言えた義理ではないが、君はもう少し俗物的な欲を持った方が良いな。……でないといつしか私の様な凶行に走ってしまう可能性があるからね」

呆れた様な表情は一瞬だけで、数秒後にはそう笑う茅場さん。……俺はそれを苦笑を浮かべながらこう思う。

(……凶行≠チて、自覚はあったのか…)

そんな風にどこか他人事≠セと思ってしまう俺が居る。今度は俺が呆れていた。……普通の人ならどの口が言うのか≠ニでも憤慨すべきなのだろうが、俺の腹の中からは何故か憎悪∞憤怒≠ネどのマイナス方面の感情が全くと云う訳ではなかったが──あまり湧いていなかった。

……俺は茅場 晶彦≠ニいう人間を心の奥底から憎む事が出来なかったのだ。……色々な感情を茅場さんに(いだ)けど、最終的に内心に浮かんだのが呆れ≠セったのは、俺がきっとひとでなし≠セからだろう。

「怒らない──か…。……やはり君と私はどこか似ている。……さて、私はそろそろ行かせてもらうとしよう。……報酬の件もある事だしね」

そう述べると、茅場さんは砂像の様に消えていった。

(……おのれは【スパイダー□ン3】のサンドマンかよ──っ!?)

……そんな益体も無い感想を懐いていると、今度は転移やら浮遊感とも着かぬ感覚に陥り、急に現れた──目蓋(まぶた)裏からでも更に目を覆いたくなるほどの閃光に意識を灼かれるのだった。……どことなく感じている懐古感に身を任せながら…。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「依頼を達成してくれた事について礼を言う。……ありがとう」

目を目蓋ごと灼かれるかと思わされた一瞬の閃光。……強い光を見た後特有の失明感後に──そして、地に足着かずの意識の最中に目を開けて見て一番最初に認識出来たのは、比喩表現なしの女神≠ゥらの謝礼だった。

意識を取り直せた俺にとって、その女神≠ェ誰かを特定するのは簡単だった。……何しろその女神≠ニは面識があったからだ。

「……ミネルヴァさん…」

「うむ。……堅苦しいのも良い加減にして元のスタンスに戻らせてもらおう」

女神>氛氓烽ニいミネルヴァさんは俺が意識を取り直したのを確認したのか、どこか(うやうや)しかった佇まいを、いつものフランクな方向へ正す。……目上の人>氛氓ニ云うよりはミネルヴァさんに恭しい態度を取られると、どうにも調子が出なくなるのでそれについてはスルー。

「ミネルヴァさんが居ると云う事は、俺のお勤め≠ェ終わったって事で良いんですよね?」

「そうじゃが、特典(ほうしゅう)≠ノついての話もあるの」

単刀直入に聞いてみれば、どうやら俺の疑問は(あなが)ち間違いで
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