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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
120 剣士達の夜明け
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咄嗟に思い付いた──無意識下のものだった。

「疾っ!」

ヒースクリフとユーノの返事を待たずにボスの──《ザ・スカルリーパー》の目前へと踊り出て、《ザ・スカルリーパー》へと槍で突き掛かる。槍≠フ性質上、このボスへの相性が悪かったのかボスのHPは1ドットも減らなかったが、そこは良しとした。…ヘイトさえ稼げれば良かったからだ。

「ふっ──」

《ザ・スカルリーパー》から降り下ろされる、ゴドフリー達を含めれば少なくとも14もの生命を奪っている凶撃。それを相殺しようとしてソードスキルを立ち上げようとするが、俺とボス間に割り込んできた──俺の赤≠ニも違う紅≠ェ見えたので相殺の行為止める。

しかし救援に来たのは紅≠フ聖騎士──ヒースクリフだけではなく、ユーノも俺の指示に乗ってくれたようだった。

「……無茶をする」

「全くだよ」

「足並みを揃えるにはこうするしかなかったんだよ。……アスナっ! ≪DDD≫の指揮を一時的に任せる! (メイン)≠ヘ俺らが抑える!」

アスナにそう投げ掛ける。“二刀流”──キリトが居ればコンスタントにダメージを与えられるとも思ったからだ。

「了解!」

「≪KoB≫もっ! ゴドフリーの敵討ちがしたいなら立ち上がれ!」

「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」」

人望のあったゴドフリーである。俺の言葉を理解した≪KoB≫の皆の顔色に血潮が戻っていく。……それから漸く、本当の意味での75層フロアボス攻略戦≠フ幕が切って落とされた。

………。

……。

…。

「……何人、死んだ…?」

「……6人だ」

キリトの投げ遣り質問にクラインが答える。俺が周りを見渡しても疲労困憊(ひろうこんぱい)を体現したかの様な兵士達しか見えなかった。……そう、ヒースクリフを除いては。

(さて、キリトは──っ!?)

「キリト君っ!?」

虚空に浮かぶ[Congratulations!]の文字を眺めキリトへと視線を移す。……アスナの驚きの声が時には時既に遅く、キリトがヒースクリフにソードスキルを仕掛けていた。

……普通なら<Lリトのその蛮行は咎められるべきだが、今この場合≠ノはそうはならなかった。紫色≠フ障壁の様なエフェクト。……それはこのフロアに居る全員に見覚えがあるだろう──人≠ノあり得てはならないものだった。

「……ヒースクリフ団長、それ≠ヘどういう事か説明してもらえますよね?」

不死属性(イモータル)オブジェクト。それがヒースクリフを護っている何かの正体で、それは本来なら建物≠ネどにしか付加されてないものだった。

アスナの問いにキリトが口を開く。


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