第8話 想い
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ってくれ。2度と同じ過ちは侵さない。唯一無二のパートナー...だろ?」
「あぁ...。」
「帰ろうか。今日は本部じゃなく、俺の家に帰るか。本部には明日顔を出す。」
そっと離して歩を進める。
落ち着いたのか、横を歩くアリーが、口を開く。
「今日は...オレっちも行ク。」
「何処に?」
「お前と一緒に居ル。」
「なんだよ急に」
「別に...いいダロ...。」
「そうかい。」
そして、並んで歩く2人の背で太陽が沈み始める。
横にいる男に、ドキドキする。こんな感情、この世界では無縁だと思っていたのに。思えば、どんなに危険でも、この男は、自分を守ってくれた。安全マージンが足りないにも関わらず、前線の情報収集に行った時も、ラストアタックは譲ってくれたし、危険な時、身を呈して守ってくれたのもこの男だ。
思えば、守られてばかりだ。そう言えば、初めて会ったときから、この男のことで後悔したことはない。最初は、使えるヤツ...次は、変なヤツ。その次は...いいヤツ。そして、カッコイイヤツ。最後は........。
横にいるヤツは、あんな事があった後なのに、殺されかけた後だというのに、仏頂面で、まるで、不貞腐れながら歩いている様な顔をしながら横を歩いている。
思えば、人を率いる事の出来るカリスマ性。戦場を見極める眼。正しい戦略を導く頭脳。ほかの追随を許さない動体視力と反射神経。顔は、まるでファッション雑誌のモデルをしているかのように整っている。思えば非の打ち所がないヤツだ。
「どうした?」
「何でもナイ...」
少し声を掛けられるとドキッとする。真っ赤な夕日で気付かれないだろうが、顔が暑い。赤いのだろう。
小さな気遣いも出来る。
想えば想う程、胸の鼓動が、顔の赤みが、止まらなくなってくる。行くと言ってしまった以上、コイツの家に行くのだが。大丈夫だろうか。変なところはないか。自然と自身の格好を気にしてしまう。
少し、イタズラしてやろう。
「んあ?何しや...まぁ、いいか。」
この男、絶対鈍感だ。
今しているのは腕に腕を回し、まるで聖夜を共にする恋人の様にしているのだが。反応は薄い。
と言うか...ここまで反応が薄いとどうすればいいかわからなくなる。
離そう...としても、何故か安心してしまい離せない。終いにはこの状態が安定してしまい、くっつきながら歩くことになった。
腕は...思ったより太い。弓道をしていたのだから当たり前か。
そして、そのまま街に付いてしまった。
恐らく市場に向かっているであろう。マーケットのある方向に歩みを進める。フードは外してしまっているせいか、素顔はわか
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