第7話 影の女王は闊歩する
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「惚けるな。帝様を含む俺達に殺気をぶつけておいて、貴様からはまるでやる気を感じ取れん」
「ほう?」
決して馬鹿にしているワケでは無いのだろうが、スカサハはヒュームの観察能力を評価する。
ただ永年生きて来たので、如何しても上から目線になってしまうが。
そしてその上から目線に気付いたヒュームは、額に青筋を浮き上がらせるものの、なんとか耐える。
「・・・・・・それで?貴様は何の様なのだ。無論、此処が九鬼財閥極東本部だと知っての事なのだろう」
「・・・・・・ふむ。私は一応、藤村組の関係者と言う事に成っている」
「何?」
「それでな、その内呼び出しをするから問答無用で来いと言っておったな」
「・・・・・・・・・・・・」
スカサハの言葉にヒュームが黙る。
スカサハは誰が誰をとは言わなかった。言うまでも無いと言う事だ。
「伝えるのは何時でもいいと言われてたからな。気晴らしに此処まで立ち寄ったから、伝えに来たまでよ」
「その割には無駄が多いな。少なくとも、殺気を当てる必要性が無いだろう」
「必要はないが理由ならあるぞ?藤村組のメッセンジャーと名乗ればお前たちは殺気立つも、それなりの重鎮が出て来るだろう。その待たされてるの時間が嫌だった」
「どこぞの餓鬼だ?」
「ついでに悪戯心が湧いて、ついな。許せ」
「貴様・・・!」
ふてぶてしく謝るスカサハの態度に、またもやヒュームは額に以下略。
自業自得なのだが、このままでは戦闘が始まるので、音も無く言葉だけ残してその場を去った。
『最後に、先程は老いぼれと言って悪かったな。お前も雷画も私から見れば、まだまだ十分若造だ』
「・・・・・・・・・・・・俺と雷画の奴を若造と評するあの娘――――いや、あの女は・・・・一体何者だ?」
ヒュームは疑問を感じながら、スカサハが去って行った方へ呟くのだった。
−Interlude−
百代は百人組手を終えて廊下を歩いていた。
普段なら楽しかった気分の感傷に浸っている所だったが、今日はそうは往かなかった。
あの土手で百代に遅れて全員復帰した後、百代がどれだけ主張しても余り水分補給を怠っていたので軽い熱中症状により白昼夢を見ていたんじゃないか、と結論付けられてしまったのだ。
「確かに居たのにな〜。これじゃあ新学期前に遭遇した体験と変わらないじゃないか・・・」
百代が誰もいない時はよく独り言を言うが、鬱憤が溜まっているのか、今日は誰が聞いているとも判らない川神院の廊下でするだけあって重傷だった。
夜に島津寮へ行くので、道着から私服へ着替える為に自室に戻る途中で、鉄心の部屋の前を横切った時だ。
「っ!?」
本当に僅かな
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