第7話 影の女王は闊歩する
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していたスカサハは、河川敷の土手で遊んでいる者達に何となく興味を示して立ち止まる。
スカサハは、士郎の話によりクリス以外の此処に居るメンバーの事を多かれ少なかれ知識として知り得ていたが、実際に会うのは全員初めてである。
(成程、この子供らが風間ファミリーなる仲良し集団か)
顔のパーツが士郎の言っていた情報に酷似しているので、身元についてもすぐに理解出来た。
そうして観察していると、クリスが打ったボールは前では無く、後ろに大きく打ちあがり、スカサハ目掛けて落ちて来たのでそれを捕る。
「あーー!すいません、お姉さん・・・・・・って、え・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・』
風間ファミリーの中で一番近くに居たガクトが、お礼を言いながら近づいてから気付いたスカサハの美貌に思わず見とれて止まる。
それに続いて、他の皆も視線を集中させてガクト同様の反応を起こす。
「受け取れ、少年」
風間ファミリーの反応に応対する気は無いのか、スカサハはガクトの右手に嵌めてあるグローブ目掛けて投げ入れたが、本人自身が止まっているので見事に吸い込まれるように入ったモノの、直に零れ落ちてしまった。
その反応の中でいち早く復帰した百代は、何時も通り美少女や美人は全て自分への御供え物と公言しているだけあって、初対面のスカサハの眼前に一瞬で現れてから抱き付こうとする。
「世界全ての可愛い娘はすべからく私の物・・・!」
しかし――――。
「気安いぞ?娘。何より遅い」
「!?」
百代の両手は空を切り前のめりに倒れそうになるも、見た目からでは想像できない屈強な下半身と安定した体幹により、踏みとどまった。
そんな百代は話しかけられた刹那の時間の内に、驚喜に心が満たされた。
自分が抱き付こうとした速度は、意識している限り、今この場にいる仲間たちの誰も躱すこと敵わぬ速度だった。それこそ壁越えでなければ無理だ。
しかも今の速度を遅いと言う。
さらには自分すらも足元にも及ばないのではないかと、考えさせられてしまうほどの美貌を持つ美女だ。
強者と美女・美少女は百代にとって大好物だ。その両方を兼ね備えていると言うのだから、彼女に興奮を押さえろと言うのが無理らしからぬことだろう。
けれど、目的のお姉さんには礼を失してしまった。
此処は即座に謝罪をして、如何にか要望を叶えてもらうように頼み込もうと考えて振り向く。
「・・・・・・は?」
しかしながら、そこには誰も居ない。
少なくとも百代の視力で捉える事の出来る範囲のは見当たらないどころか、そこに先ほどまでに本当に居たのか怪しいほどに気配も無かった。
「撒いたか」
当のスカサハは、百代の闘気に気が付き面
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