―明日香―
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をする手間が省けた、とまで考える余裕が出て来たとともに。目の前のエキシビションマッチの対戦相手を臨むと、そこには。
『――我が愛すべき妹。このアカデミア最高のクイーン! 天上院明日香!』
――流れるような金色の髪に女子生徒用のオベリスク・ブルーの制服、兄のすることに困ったように笑う、まさしく天上院明日香そのものの姿がそこにはいた。異世界で自分が殺したかと思われた彼女が、健在なままでそこにはいて。
「あ、明日……」
言葉に出来ない驚愕が明日香の表情を包み込んでいた――恐らく、自分も全く同じ表情をしていることだろう。デュエル場で固まる二人に、吹雪さんの声がかけられる。
『二人は一年の時からしのぎを削ってきた。積もる話はあるだろうけれど……デュエルをすれば全てが分かる。美しいライバル同士だ』
それは観客に自分たちを紹介しているように見せかけた、吹雪さんからのメッセージ。話すことは、謝ることは、けなされることは――泣き合うことは、後はいくらでも出来る。まずはデュエルで心を通い合わせてみろ、と。
「明日香……」
今言うべきことは、謝罪の言葉ではなく。再会を喜び合う言葉ではなく。
「いくぞ!」
「……ええ!」
明日香と揃ってデュエルディスクを展開すると、お互いにデュエルの準備を完了させる。この場を用意してくれた吹雪さんに感謝しながら、喜怒哀楽もわかだまりも感情も何もかも全て、このデュエルにぶつけるべく。
『デュエル!』
遊矢LP4000
明日香LP4000
「俺の先攻!」
デュエルディスクに先攻が表示されたのはこちらから、少し不満そうな明日香をよそに、俺は五枚のカードを手札とする。
「俺は《マックス・ウォリアー》を召喚!」
まず召喚されるは、機械戦士が誇るアタッカー。このアカデミアに入学し、明日香と最初にデュエルした時からその勇姿は変わっていない。
「カードを二枚伏せ、ターンエンド」
「私のターン、ドロー!」
《マックス・ウォリアー》にリバースカードが二枚、その布陣から明日香のターンへと移る。
「私は《サイバー・チュチュ》を召喚!」
威勢よく引かれたカードを手札の中に加え、召喚された《サイバー・チュチュ》。明日香が使うバレリーナのような戦士族ことサイバー・ガールの一員であり、その効果は条件付きではあるが相手プレイヤーへの直接攻撃。
「バトル! 《サイバー・チュチュ》はこのカードより攻撃力が高いモンスターしかいない時、ダイレクトアタック出来るわ! 《サイバー・チュチュ》でダイレクトアタック、ヌーベル・ポワント!」
「リバースカード、オープン! 《ガード・ブロック》!」
《マックス・ウォリアー》を
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