第27話 休息
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トムに関しては会ってすらいないが、コピーエックスを守るために自爆までしたのだから、誰かを守ろうとする心…悪く言えば自己犠牲精神を受け継いでいるようだ。
「…………」
「……何だい?ルイン?」
自分に向けられる視線に気付いたエックスが振り返る。
「あ、ううん。ただ、子供は親に似るんだなあって思っただけ」
「レヴィアタンの顔やファーブニルの何かに夢中になると周りが見えなくなるところは君譲りだよ。ハルピュイアやファントムにも君を彷彿とさせる要素が受け継がれているよ確実に」
「…それって、どういう意味かなあ?エックス様?」
ジト目でエックスを見遣るが、エックスは素晴らしい笑顔を浮かべたままだ。
「ふふ、ハルピュイア達には確実に君のDNAが刻まれてるってことだよ」
「むう〜」
むっとなるルインに、エックスは微笑を浮かべる。
その微笑を見て、ルインも少しの間を置いて苦笑を浮かべた。
「エックス…消えたりしないよね?」
何度も何度も繰り返してきた言葉。
ボディを失ったエックスはサイバーエルフとして生きているが、もし無理をして消滅してしまったらといつも考えてしまう。
「大丈夫だよ…僕はまだ消えるつもりはないから。まだまだやらなければならないことが沢山あるからね」
「うん…」
エックスと共に雲1つない青空を見上げる。
新エネルギーを開発し、もしネオ・アルカディアと和解出来たなら、シエルに頼んでエックスのボディを造ってもらおう。
だからそれまでは消えないで欲しいと切に願った。
「ハルピュイア達にも申し訳ないことしちゃったな…」
エルピスとの戦いの後、ハルピュイア達にユグドラシルで起きたことを全て話し、エックスの残骸をハルピュイア達に託した。
その時のハルピュイアの無念そうな表情は忘れない。
だからこそ、何事も起こらずにネオ・アルカディアと和解出来ることをルインは願った。
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