第3章 リーザス陥落
第78話 ホッホ峡の決戦Z(終)
[1/14]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
人間 vs 魔人
その構図は、歴史上ででも何度もあった事だ。そして、人間は 魔人に比べてあまりにも非力であり、その絶対的な能力の前には、無力だった。
ここに1つの例を出そう。
長きに渡る人間の歴史の中でも、最強の称号を持つのに相応しい男の話。
JAPANに生を受けた《藤原 石丸》
かの男は、魔王ナイチサ時代の後期に、JAPAN盟主であった藤原家の4男として生まれた英雄だ。幼い頃から剣術に長けており、いや あらゆる力を超越した剣技を振るっており、本来家督を継げる地位を持たない者であったが、冒険大好き、挑戦大好き、と言う性格があった故に、僅か20でJAPANの《地獄》に赴き、鬼の秘宝を集めて、《初代帝》となり、JAPANを超えて、大陸に進出。5年足らずで、大陸の南側半分を支配下に置くと言う圧倒的な力を誇っていた。
だが、それはあくまで《人間の枠内》の話なのだ。
その行動に目を付けた当時の魔王ナイチサは、ある魔人を派遣、殲滅を命じた。
如何に、人間の枠内では、無敵を誇った男であっても、魔人と人間の間は、途方も無い程 差があるのだ。
魔人の軍勢は、僅か2ヶ月でほぼ壊滅に追いやられ、藤原石丸も 魔人の絶対的な能力を前に、なすすべもなくその生涯を終えた。
もしも、その魔人の絶対的な能力を覆す事が出来る力をかの男が持っていたとすれば……、とも思われるが、歴史に たら、れば、は有り得ない。それが理なのだ。
そして、現代《自由都市圏内 ホッホ峽》
この場所でも、再び歴史は繰り返そうとしている。
魔想志津香は、確かに魔法の才は素晴らしいモノを持っている少女ではあるが 魔人の前ではあまりにも非力だった。
「はぁ、はぁ……っ!! 炎の矢っっ!!」
サイドステップで軸をずらしながら放たれた炎の矢が、曲線を描いて 魔人アイゼルへと向かう。
「……………」
アイゼルは、それに反応する素振りすら見せず、魔法は直撃するが、まるで効果はなかった。何かにかき消された様に、炎が消え去ったのだ。
「……それで?」
余裕の笑みを見せながら、そう言うアイゼル。志津香はただただ、肩で息をしていた。魔法をもう何度放ったのか判らない。故に相当疲労をしているのだ。
「(やっぱり…… まず、直接攻撃する魔法は、無理……!)……ならっ!」
だが、志津香の目には、まだまだ光はあった。決して諦めたり、絶望したりしていない。強い目をしたまま、魔法を繰り出す。
「粘着地面!!」
志津香の魔力で地面に生まれた特殊な魔力の膜。それは 粘着すると言う特殊な魔法ではあるが、足止めの魔法ともなれば極めて優秀な力だ。そし
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ