第3章 リーザス陥落
第78話 ホッホ峡の決戦Z(終)
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て、その魔法は魔人にも効果が……。
「っ……ほう……? これは……」
あった。
アイゼルの膝が、僅かではあるが揺らいだのだ。
粘性の感触と共に、足下が絡め取られているのだ。
「(――――!! 効果が、あった! 何もかもが、触れられない訳じゃない! 私にも、出来る事がある!!) なら、これでっ……!!」
足止めする事に成功した志津香は、距離を取った志津香が、魔力を集中させた。集中させた魔力を向けたのは再び、《地面》。
「――――――局地地震!!」
ありったけの魔力で、大地を揺らせたのだ。激しく、激しく震え、そして 大地自身が、耐えかねたかのように、振動を繰り返しながら、割けていく。
「むっ……!?」
その地割れが、アイゼルの足下に向かう。 地面が揺れ動き、やがて耐え切れなくなったのか、崩落した。
「――――落ちろッッ!!」
「……ッ!!」
アイゼルは、声を上げるまもなく、身体を支えることも出来ず、足を絡める地面ごと、奈落の底へと転落した。……筈、だった。
「……なるほど、中々面白い手ではあります、が……」
だしぬけに、地割れから手が伸びてきたのだ。
魔法の発動が終わり、地割れは、閉じるはずだったが……、それは叶わなかった。
「急ごしらえではこんなものですか?」
伸びた手が地面をつかみ、未だに粘着するそこを力任せに引きちぎりつつ、アイゼルは大地を抉りながら飛び上がった。
「む――――」
難なく、地上に復帰したアイゼルだったが、目の前に志津香はもういなかった。
簡単に防がれる事を予測していた様だ。
「白色――――――」
そして、声が聞こえたのは、背後。
「―――――破壊光線!!」
渾身の魔力を込めて、放出した破壊的な魔力が、魔人の姿を覆った。周辺を光と爆発で包んだのだ。
「(不意は、これ以上ない程、だった……。私も、わたしも、ゆーの傍で……、ゆぅと、いっしょに……)」
志津香の中で思っていたのは、絶対に彼を。……ユーリを1人にさせない、と言う強い思いだった。例え、圧倒的な力の差があったとしても、決して諦めない。……そして、ユーリだけに、全てを押し付けたりしない。
「……すみませんね」
そんな切なる想いを嘲笑うかのように、アイゼルは爆風の向こう側から、姿を現し、飛び出した。
「っ……!!」
そして、鋭い一刀を、張ったバリアで辛うじて止める事が出来たが……、そこまでだった。
「ぐ、ぅ……、あっ……!」
至近距離からの、膝蹴りに対応出来ず、志津香の膝が揺らいだ。
「あいにく、魔人なもので。お嬢さんの力ではどうにも」
「ッ、ファイア……レ
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