第7話 商会と棺桶
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あるモンスターではなく、個々が頭脳を持つ人間だ。人間は、考える。強大な相手は、1人ならば数で押し切れる。確かにミネは対人戦闘訓練では負け無し、本人は攻略組とも、行動を共にし、各階層のボスとも戦闘経験豊富。前線での安全マージンは十分なほどのレベルを持ち、本人自身、戦闘に対する恐怖も無く、努力を惜しまない。
だが、今ミネは1人だ。
シルバからのメッセージを見た時、自身の手で屠ろうか...と本気で考えた程だ。
あいつを見る度、安心する。デスゲームと化したこのゲーム内で、本気で安心する時は、あいつが横にいる時。あいつの背中を見ている時。
楽しい時は、仲間は勿論だが、ミネと、たとえくだらない会話でも笑い合う時。
悲しい時は、あいつが嘘をつく時。今と同じように、1人で行ってしまった時...。
あいつが、横からいなくなってしまったら...恐らく...もう二度と私は笑えない。心から喜べない...それ程、心で成長してしまったアイツへの思い。
あいつが、横たわっていた時...ミネの背中に刺さっている物を見た時、叫んでしまった。飛び出した。横から自身を狙う刃を...無視して、頬に傷が入る。肩に投げナイフが刺さる。背中に刃を突き立てられ用が、進み続ける。
上に乗ってる3人のプレイヤーにクローを突き出す。
咄嗟に飛び退き、こっちに刃が向くが、3人のプレイヤーが横から滑り込み、受け止める。
カルテル、ハスキ、ネミリャ。
見れば、既に交戦している味方。完全に乱戦になっている。
まるで眠っているかのように閉じていたミネの瞳に一瞬目冷っとしたものが背中を駆け巡るが、回復結晶を使い、HPが十分になった所で、十数は刺さっている刀剣類を引き抜いていく。
仰向けに転がし、抱き上げる。開く瞳に、一瞬ドキッとするが、すぐに思考を切り替え。
怒鳴る。
「冗談にも程があるゾッ!死ぬ気だったのカッ!」
誰と思えば...お前か...と言えなかった。
泣いている。怒っている。安堵している。
「悪い...泣くなよ...」
頬を流れる涙を、手で拭ってやる。
お前に泣き顔は似合わねぇよ。
周りを見ると、先程までの数的有利は既に覆っていた。捕縛されるオレンジギルドの連中。
だが、その数的有利はすぐに覆される。
更に50人程が沸いた...様に出てきた。前線は維持出来ず、陣形はバラバラ、混戦となっている。
「悪かった。説教は後で聞いてやる。だが今は、こっちだ。アリー...ありがとう。」
何となく笑いを誘えるか...と思い、ほっぺに口付けして笑う。だが、何故か本人は放心している。
「総員!引け!捕縛された見方は救出出来たか?」
「あたしらがした
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