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拳と弓
4部分:第四章
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葉だった。
「弓道部の方に戻って」
「わかりましたわ」
「じゃあそういうことでね」
 すかさず大次郎が麗につく。そうして麗は部室に戻ることになった。
「あんたもね」
 悠里は次は直樹に声をかける。
「大人しくしてね」
「男に二言はない」
 曲がりなりにも硬派を自認する男だ。己の言葉を曲げるようなことはしなかった。腕を組み堂々として言うのであった。
「だからだ。今は動かない」
「そう。それならいいわ」
 悠里もそれを聞いて納得する。こうして騒ぎはすんでのところで二人によって回避されたのであった。
 そう、二人でだ。皆二人に注目していた。
「おい、よくやったよな」
「見事だったぜ」
「あっ」
 ここで二人は道場にいる皆の声に気付いた。気付けば道場の中央で皆に囲まれていたのである。

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