破滅の冬
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ダメージが災いしているのだな」
魔水晶ビジョンからこの様子を見ていた雷神衆はされるがままのエルザを見てそう言う。
「くっ!!」
一通り痛め付けられたエルザは地面に落とされる。足に大きな痛手を背負ってしまった彼女は立ち上がるのもかなり辛そうだ。
『あぁっと!!妖精女王のエルザ!!ピンチです!!ミネルバの猛攻が止まりません!!』
「その足では、もう立ち上がれまい」
ミネルバの言う通り、エルザの足はすでに限界を迎えていた。だが、それでも彼女は諦めずに立ち上がる。
「何度でも立ち上がる。負けられぬ戦いがある以上、私は何度でも立ち上がる。言ったはずだ。お前たちは、一番怒らせてはいけないギルドを敵に回した」
「怒りは美容に悪いぞ」
エルザの言葉に対し、茶化すような声色で言うミネルバ。
「よくもルーシィを・・・仲間を・・・カグラを・・・ミリアーナを・・・」
両手を強く握りしめ、自分の仲間たちを傷つけてきたミネルバを鋭く睨む。
「私は怒っているんだ」
「そんな怒りに妾が怯むとでも?」
ミネルバは右手に魔力を溜める。すると、敵であるエルザのすぐ横に同じような魔力の球体が出来上がる。
「ぬっ!!」
それに気付いたエルザは急いで横っ飛びしながらそれを交わしていく。だが、
「うわっ!!」
彼女が交わしていく方向を予想していたミネルバは、そこに自分の魔法で空間を作り出し、それを爆発させる。
「妾の空間魔法はこの視界すべてが攻撃範囲だ!!」
ミネルバの目には痛む足にムチを打ち、必死に彼女の魔法から逃げるエルザの姿。彼女の視界に捉えられている限り、何度でも攻撃を仕掛けられてしまう。
「爆発・・・」
「空間を入れ換えるだけでなく」
「空間の属性まで変化させる魔法!!」
エルザとミネルバの戦いが繰り広げられているすぐ近くに倒れているミリアーナと早々に倒されてしまい、魔水晶ビジョンから試合の様子を見つめているアラーニャとベスかそう言う。
「最強のギルドに相応しき最強の魔法『絶対領土』!!」
ミネルバの魔法が爆発した周辺は土煙が立ち込めている。ミネルバの魔法は自分の目に入るものをすべて攻撃できる超広範囲魔法。だが・・・
「ん?」
それは視界がない場所では全く意味を為さないことと同義なのである。
「な・・・なんだ!?これは・・・」
白くて冷たい何かが横から突風と共に押し寄せてくる。そのせいで彼女は自らの魔法の最も重要な“視界”が完全に失われてしまった。
「おのれ・・・エルザはどこに・・・」
なびく髪を押さえながら、見えない敵を懸命に探すミネルバ。そんな彼女の脇腹に、
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