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101番目の舶ィ語
第三話。パンツを拾ったら全力で、ランドリーへぶち込め! それが優しさ、だ。
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られた表情をした。
先輩はそのティシュを見て、パッと、洗濯機にへばりついて中を見て、そこに自分の下着があることに気づくと。

「ご、ごめん、モンジくん!
わ、わたし、私ってきり……」

「先輩、最近眠れていなかったみたいだから疲れてるんですよ?
さあ、ゆっくり休みましょう」

「う、うん。そうだね、疲れてんだね。私……」

先輩は納得して、リビングに歩いて行ったが。
先輩の後に続こうとした俺の背後から一之江の呟きが聞こえてきた。

「……見えましたからね」

俺の横を無言で通り過ぎてリビングへ向かう一之江。
一之江の呟きに、内心ドキマギしつつ、その後ろ姿を見送った俺は脱衣所を出て……フーッ……と、安堵の溜息を吐いた。
一之江に見破られた事に戦慄したのと同時に。
普段と変わらない一之江の態度に安心してしまう。
やってわかったが。さっき、俺は______
右腕だけで(・・・・・)、桜花を使ったのだ。パンツを亜音速で洗濯機に入れる為に。
人間はおよそ4秒に一回、120ミリ秒のマバタキを行う。詩穂先輩や一之江も例外ではない。
なので俺は彼女達がマバタキした瞬間を狙ってドラム式洗濯機のフタを開き、下着を中に安置し、フタをして、ポケットに偶々入れていたティシュペーパーを取り出し、丸めて、一之江達に見せたのだ。その間、120ミリ秒______その後、ティシュペーパーを一之江達が確認し、先輩はリビングに戻ったのだが……

(一之江にはバレてたか……)

どんなに高速で細工をしても。
『月隠のメリーズドール』の目は誤魔化せなかったみたいだ。
さすがは一之江。俺の動きを見破るとは……最強の都市伝説なだけはある。
などと感心しながらも俺は自身がやらかしたことに驚く。
______人間が全力で拳を突き出す際、普通は全身の筋骨を『一気に』動かす。
しかし桜花では、全身の筋骨を『順番に』動かす。
体内で後ろから前へ速度を次々とパスし、加算していくのが術理なのだ。
マッハ1に到達させるパスの回数は、4〜6回数。
当初はこれを『爪先→膝→胴→肩→腕→手首』でやってたが、スカイツリーでワトソンと戦った時には『左手首→左肘→左肩→右肩→右肘→右手首』でも出来ている。
つまり、桜花に使う筋骨はどこでもいい。
これらの条件から、ヒステリアモードの頭脳が……新たな技の、断片を……思いつきそうだったが、この辺りでヒステリアモードが終わってしまった。
多分、今までで最短時間だったな。俺の滞ヒステリア時間。
世間には、女性そのものより女性の衣服や持ち物でβエンドルフィンを分泌する体質を持つ兄さんのような男性もいるのだが……
ああいった布キレだけでヒスるのは、未熟な俺には高度過ぎたみたいだ。
ああ、残念だ。非常に残念だ。

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