宇宙編
邂逅編
第21話 専用機2
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「見つからないんですか?」
「ああ、落としたらしい」
母親の形見の懐中時計。
どうやらあのコロニーの騒動のときに落としたらしい。
「まぁ、仕方ない。物資搬入の時間は?」
「もうすぐ……あ!来ました!」
モニターに映し出された小さな点。次第に拡大されて、やがて連邦軍の宇宙戦艦の形を映し出す。
コロンブス級補給戦艦。
一年戦争から運用されている旧式艦だ。
「俺のデルタガンダムのパーツもあそこか…」
不意に背後から声を聞き、振り返る。
「フラン!もう大丈夫なのか?」
「ああ、心配かけちまったな。もう大丈夫!完全復活だぜ!」
いつものノリで、フランは返す。
「やはり、少尉とルシオンさんは一緒じゃなければ!」
「ん?ルシオンさん?おいルシオン、ナナちゃんと俺がいない間にどういう関係に??」
「ん??な、なんでもねーよ??」
こんな平和が、いつまでも続けばいいと思っていた。
しかし、此処は戦場。殺し合いの宇宙というコロシアムの中では、彼らに安らぎはない。戦士は血を血で洗い流すしかない…
レーモ7宙域ー
「よし、ミノフスキー粒子が薄いから、聞こえてるな」
グワンバンからの通信。
「はい、大丈夫です」
「じゃあまず、サイコミュレバーの前のスイッチで安全装置を解除、デブリから離れて開けた場所で分離開始だ」
「了解」
機体を加速させて、宇宙の障害物、デブリの間を縫うように進む。
すると、宙域を抜け、虚無を少しの星の光が照らす宇宙に飛び出した。
「オールクリアー。フェイズ移行、分離開始!」
ゆっくりと機体が二つに分かれ、それぞれが平べったいフォルムの戦闘機に変形した。
「よし!サイコミュオン!」
「サイコミュオン!」
レバーを引いた瞬間、微量の頭痛が頭を横切った。
「切り替え完了しました」
「次からが本題だ。バウ・ナッターを動かすイメージを浮かべるんだ。何気なく、当たり前のように」
何気なく、当たり前のように。
頭にそう念じると、緑の物体が自機の周りを旋回し始めた。
「ナッターがアタッカーの周りを旋回している…これはデータ入力されていない動きだ!フーバー!サイコミュは正常に作動している!」
「ということは…」
「お前はニュータイプだ!」
俺がニュータイプ。
フーバーはその時、快感に近い喜びを感じていた。
まるで自分が宇宙と一体化したかのような、開放感と頭の冴え。
「すごい…思い通りに動かせる!」
興奮する感情を抑えつつ、機体をグワンバンに向ける。
「アイラが言っていたのは、こういう気分のことだったのか…」
フーバーのニュータイプ能力は、徐々に覚醒してきていた。
同刻、フィンドラ級戦艦内にて。
「少佐、作戦実行の全ての準備が完了しました。」
綺麗なすらりとした顔立ち。彼女の声は、複雑
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