暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王ARCーX 〜波瀾万丈、HERO使い少女の転生記〜
激闘、マイアミチャンピオンシップ!
二十四話 ー開幕、舞網チャンピオンシップ!!ー
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り笑って欲しい」
元気ないのは、姉ちゃんらしくないよ、消えそうな徹の声にハッとさせられる。
「弟まで、心配かけるなんて……姉失格だね」
「今に始まったことじゃないから」
「酷くない!?」
棘のある言葉を向けてくる徹だが、つい先ほどまでの辛そうな表情はなく嬉しそうに笑っていた。それにつられて私も思わず頬が緩む。
「このやろっ、と」
「わわっ??いたいいたい!」
「〜〜〜♪」
徹の頭を捕まえ、ぐりぐりと強めに撫でてやると痛い痛い嫌がるも表情は楽しそうだ。もうしばらく、撫でて楽しんだ私はすたっと立ち上がり伸びをして凝り固まった体を解す。
「んんー!弟成分、補充完了!」
「なんなのさ、それ」
「姉っていう生き物はねぇ、弟成分を補充しなきゃ死んじゃうんだよ!」
ボサボサになった髪の毛を気にしつつ、半目で睨んでくる徹にニシシと笑い返す。なんだよそれ、と言葉を漏らすも徹はかねがね嬉しそうだ。
「ありがと、徹。私、今までどうかしてたね」
「今ごろ気づいたの?家でも母さんや父さんも姉ちゃんが病気かと心配してたし」
「何気に酷いな、あの人たち」
確かに元気が無く私らしくなかったのは確かだがそれを病気のせいにするとは……
両親の思考にげんなりとしつつも影ながら心配していてくれた事に嬉しく思う。
「さて、ちょっくら柚子ずとやりあってくる!」
「いってら〜。ほどほどにねー」
「応!」
ひらひらと手を振る徹をちらっと確認しつつ、会場へと駆けていく。
◆◇◆
デュエルが行われるメインスタジアムには客席全てが埋め尽くされるほどの人が集結し、デュエルが開始されるのを大会特有の騒々しさの中で今か今かと待っていた。
そんな中、司会進行役を務めるニコ・スマイリーはダラダラと冷や汗を流していた。
というのも、試合開始間近でありながらも柚子の対戦相手である優希が依然として姿を見せないからである。
まさか第一試合から不戦勝が決まるなんてことありませんよねぇ〜?などと内心心配しつつ、表情では営業スマイルを浮かべ優希が来るまでの場を繋いでいた。
『えー、第一試合開始まで残るところ五分となりました。このまま、神崎 優希選手が現れないとなると柊 柚子選手の不戦勝が決定します』
仕方なく不戦勝の可能性を説明すると予想した通り会場からはブーイングが起こる。
第一試合からデュエルが行われる事なく勝敗が決まるなどマイアミチャンピオンシップ始まって以来の問題だ。それにニコ・スマイリーの経歴にも傷がつく。
額からは滝のような汗が流れ、落ち着きがなくなっていたスマイリーは右往左往と忙しなく動く。
そして、残り一分。も
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