暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第216話 ヨツンへイムの異常と金髪の美女
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 そこはマップ上にも表示されないようなアルン裏通りの細い路地。
 左に、そして右に、覚えていなければ決してたどり着けない様な入り組んだ路地を進み、最終的には、民家の庭に到達する。

 そこにある扉がヨツンヘイムへの入口だ。

 以前までは、大型の土中モンスターに飲み込まれ、その先がヨツンヘイムだった。と言う偶然から見つける事が出来たのだが、そのモンスターは指定された地域にしか生息しておらず、辿り着くまでにかなりの時間が要する。

 つまり、一般的に挑戦をしようとすれば、辿り着くまでが一苦労なのであるが、キリト達のパーティは少し勝手が違うのだ。以前、トンキーと名付けた邪神を救った事で、この秘密の場所へ、地上へ続く道へと案内してくれて、いつの間にかその通路の扉の鍵もアイテムストレージに収納されていたのだ。

 フラグを立てた事で、可能になった近道、なのだが……。

「うわぁ……、いったい何段あるの、これ」

 ここに初めて来る者は皆が口を揃えている事だろう。
 リズもその1人である。それには勿論理由はある。直径2m程のトンネルの床に作られた下り階段は壁の小さなランプが放つ青白い燐光に照らされ、解像度の限界まで延々と続いていたのだ。螺旋階段故に、先が何処まであるのかが想像出来ない事も拍車をかけていた。

「んーっと、アインクラッドの迷宮区タワーまるまる一個分はあったかなー」
「確かそうだったよね。でも ちょっぴり、こっちの方が長く感じるけど」

 先頭に立って階段を下り始めているアスナとレイナが答えると、リズだけでなく、シリカ、そして クラインが同時に《うへぇ》という顔になった。

「まぁ、空を飛んで移動可能なこの世界だ。たまには、エリアの移動もこう言う趣向も良いだろう?」

 別に苦労をしている様な素振りをみせず、悠々と進んでいくのはリュウキだ。

 元々、仮想世界故に 走りっぱなしで現実の身体が《疲れてしまう》、なんて事はない。ただ、体力のメーターは存在するから、MAX速度は落ちてしまうのは仕方がないが、その部分は、精神的に来るのだ。限りなく現実に近い情報量を有する世界故に、目の前にただ只管続く階段に嫌気がしてしまい、心労も多少出てくるのだ。

「どれだけ、健脚なのよ……」

 シノンは、少しばかり呆れた口調でそう言っていた。まだ先の見えない階段なのに、そんな言葉が出てくるから仕方が無い。

「あはは。リュウキくんは、昔っから、本当に色んな所に行ってるもんね? トータル走行距離を考えたら、ぜーったい、No.1だよね? うんうん」

 少し振り向きながら言うレイナ。
 前をみて走らないと危ない、と感じるのは現実であっても仮想世界であっても同じ事だ。

 それを見たリュウキは、走る
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