暁 〜小説投稿サイト〜
逆さの砂時計
Side Story
無限不調和なカンタータ 2
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りませんけどもッ!」
 でしょうね。
 ローブの前面が鳩尾まで開いてる程度でこれだもの。
 たまに目を逸らしてたのはこれの所為でもあるのか。
 因みに、両手共塞がってる今、カールがちょっと暴れるだけでも上半身裸になる可能性は否めない。
 「安心して。私もそっちの経験は無いから」
 「どう安心しろって言うんですか! 尚更危機感持ってくださいよ!」
 「え? 男って、初物は面倒臭いから嫌なんじゃないの?」
 「人によりますッ! 何処でそんな偏った情報仕入れてるんですか!?」
 「勝手に聴こえてくるのよ。でも、そう。こう言っておけば手を出し辛いかと思ったのに」
 「揶揄ってるんですか? 本気ボケなんですか?」
 恨めしそうに私を見上げるカール。
 つまり、こいつの性欲には種族の境が無いのか。
 ひょろい割りに旺盛ね。
 「私を襲ったら、血抜き前の生肉責めにしてあげる。これならその気も失せるでしょ」
 にっこり笑って軽く跳躍する。
 獣避けの為に周辺で一番高い木の太い枝へ座らせたカールは、そういう問題なのか? と、暫く不満そうに呟いていた。


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