第1章〜ぼくらを繋ぐ副作用〜
04.憧れ
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菊地原が憧れに気づいたのは、今日のことである。
それまでは如月の存在を面倒で関わりたくない人と認識していた。
C級ランク戦をやるために如月と共に本部に来ていた。
「合同訓練を含め、2800〜3000はあるだろう。
菊地原、目隠しでランク戦してこい。B級になってこい。」
菊地原は頭を下に下げた。
相変わらず酷い注文をしてくる如月に、慣れてしまった自分がいた。
そんな自分が嫌になり対抗しようとしたが、如月は布を渡してきたので菊地原は負けた。
菊地原が如月に勝つにはまだ時が必要らしい。
如月は菊地原がランク戦を始めたのを確認すると、席に座り携帯端末をいじり始める。
風間はそれを見つけると、話しかけた。
「やっと弟子をとったんだな」
「はぁ・・・言われなきゃとらなかった。
しかし耳の良さを活用する方法を出すのは愉快だ。」
「菊地原は俺の部隊に入る。
歌川と宇佐美とで組むつもりだ。」
「ほぅ〜風間はバカじゃないからな。
強化聴覚の重要性もわかるってか。
耳で攻撃がみえる重要性・・・」
風間は思い返す。如月が頑なに一人を欲しがった時のことを。
隊は組まない、誰かと組んで任務もしない。本部では会話すらしない。
心配をする隊員は少なくなかった。
少なくとも迅や太刀川、如月が嫌いな二宮でさえ心配したぐらいだ。
誰かと接することになれば、と弟子をとるようにすすめたのだ。
「ふん。如月、たまにはランク戦でもやるか」
「ランク戦嫌いなんだが?
太刀川が来ないこと祈るか。あれが来たら面倒だ。」
如月は頭を掻きながら、ランク戦の誘いを受けた。
ちょうどその頃。歌川がやって来た。
菊地原は休憩としてランク戦ブースにいた。
二人は互いに好きな飲み物を買い飲んでいたが、ブースが騒がしくなりだしたので、好奇心をそちらに向けた。
風間対如月のランク戦が注目を浴びている。
総合ランク上位の風間にランク不明の人物が戦っているから、らしい。
菊地原は如月の実力を知らないのでいい機会だとしか考えていなかった。
「あの男なんだ!?
今、どんなフェイント入れた!?」
「お前バカだろ!?あれは女だ。
腕細いし。
女が風間さんに勝ってやがるんだ」
「ランクいくつだ、あれ。
弧月一つで勝ち越せるのかよ・・・」
如月が弧月以外を使用したのは最後の一戦だけだった。
使用したのはスパイダー。
風間の動きを一瞬だけ止めたところをとられたのだ。
結果は7-3で如月の勝ち。
菊地原は自分を勧誘してくれた風間を慕っていた。
そんな人が如月に負けたというのが信じられなかった。
「おっ!!如月がランク戦してんのか!?
うわ〜風間さんいいな〜」
菊地原は餅を食べながら独り言
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