第一話
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。ブローニングハイパワーである。銃器設計の天才とも言えるジョン・ブローニングの集大成とも言える拳銃の一つだ。ハイパワーは、初めて拳銃でダブルカラムを採用した拳銃でもあり、従来の拳銃の7〜8発のオートマチックより5発も多く装弾が出来るのだ。
ダブルカラムを採用した拳銃はグリップが太くなり扱いにくいとされているが、ハイパワーはブローニングの基本設計がしっかりとしているために撃ちやすい拳銃でもあった。デスバレット時代から多弾倉の拳銃にしては安く購入できるために、俺はこれを気に入って初心者のころから愛用している思いれのある拳銃だ。
「戦闘開始だ。」
戦闘開始を意識すると目の間のビジョンが変わる。デスバレットの時のように右下に武器の装弾数と残りの弾数が表示される。そして銃を撃つときに、より緊張感を味わえるようにデスバレットでは、弾道予測線という赤い線が表示される。これにより初心者でも狙いやすくするための工夫でもあるが、一部のスナイパーに特化したプレイヤーから不評もあったが、ゲーム的面白さがあるとも称されていた。
既にゾンビとなった生徒に向けてハイパワーを向ける。弾道予測線の赤い線が、ゾンビの眉間に表示されて俺はハイパワー撃った。
ダーン!
9mmパラべラム弾の乾いた発射音が廊下に響き渡る。見事に眉間に命中して糸が切れた人形のように崩れ落ちた。
「先ずは一匹」
それに続くように俺は、次々とゾンビとなった生徒と教員に向けて撃ち続ける。撃ちだされた薬莢が地面に落ちる音がよく聞こえる。そして弾丸の硝煙の臭いも。撃っても撃ってもひるまずに、こっちに向かってくるゾンビ共に、俺は少し悪態をつく。
いくら攻撃しても何でおれだけに向かってくるんだと。マガジンの弾が切れれば直ぐに新たなマガジンを装着してスライドを引く。これで発射準備は完了する。
倒しながら進んでいくが、まるで俺の所にゾンビが集中しているようだと思う。まさかと思うが、ゾンビ共は音に反応しているんじゃないか?
「銃を撃ち続けたのは失敗だったかな?」
今さら後悔しても遅い。実際に撃ってゾンビを殺さない事には俺の命はないのだ。近接戦にも持ち込むにも数は多いし、一匹一匹に近接戦を仕掛けては非効率すぎるし、下手をすれば囲まれておじゃんだ。
ーーー。
撃っても撃ってもゾンビ共は消える気配がない。まあ、音に反応するんだ。激しい音を出す銃をぶっ放してれば嫌でも群がってくるか。拳銃弾は、特にコスト的に高くないので、かつてのデータのままのマネーを保有していれば、大した痛手でもないので気にせず撃てるが、道具枠で出しといたマガジンの予備も無くなりそうなので、落ち着いた所でマガジンの補充をしたいんだが、こうも群がってると落ち着ける場所が見当たらんな。
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