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明日の日記
暗転

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 部屋が広くなった。

「 ふぅ、もうすっかり暗くなってしまいましたねー 」
「 きっとそれは午後5時から大掃除を始めたからですよ 」
「 何事もやる気があるときにやった方が効率がいいんですよ 」
「 今後はもっと早くやる気出して下さいね 」
「 ...はい 」

 女神様から苦言を頂く。が、本人はニコニコ笑っているのでいいとしよう。
仕事が休みな日曜をだらだらと過ごし、夕方になって一念発起。「そうだ、掃除をしよう」って、自分でも異常だと思う。

「 どうして急に掃除なんて? 」
「 いやぁ、こっちに引っ越してきてまだ開いてないダンボールがあるのはさすがにマズイかと 」
「 そんなことはありませんよ。世の中にはダンボール製の家で生活している人もいるのですから 」
「 それは選ばれし人間の生き方ですから 」

 実際はダンボールから荷物を出すことが目的ではなく、季節が一周しても使わなかったものを整理(廃棄)するためだったのだが...

「 あら? あらあら! コレは何ですか!? 」

 いつの間にか女神様が荷物漁りに目覚めてしまった。  ...なんてこった。

「 こんな服持ってたんですねーへー 」
「 持ってましたよ。着てないだけです 」
「 なんで着ないんですか? 」
「 平日は仕事じゃないですか 」
「 ふむふむ 」
「 休日は部屋着じゃないですか 」
「 ふむふむ 」
「 まぁ、そんな感じです 」
「 つまりこの服はもう要らない...と 」
「 うーん、そこまでは言わないですけど 」
「 捨てていいですか? 」
「 え? 」
「 いえ、あまり着る機会の無いものならばお世辞でも広いとはいえないこの部屋のクローゼットを占有する資格など無いかと 」
「 それはちょっと... 」
「 でも着てないんでしょう? 」

 なんかすごいグイグイ来るな。汗

「 現状で着る機会が無いだけですよ 」
「 でも今後もその予定は無いし、そういったご予定を立てるつもりもないのでしょう?友達も少ないし、遊びに誘うことや誘われることも皆無ですし 」
「 ... 」
「 ...と、そこで登場するのがー? 」
「 ? 」
「 この私! 」
「 つまり? 」
「 お出かけしたいです 」

 結局そうなるんかい!


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