第26話 エルピス
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ゼ、ゼロオオオオッ!!!」
最後の悪足掻きとばかりに、巨大なエネルギー弾を放つ。
ゼロはロッドの穂先を天井に突き刺して一気に鎖を短くすることで上に回避しながらセイバーにエネルギーをチャージさせた。
「(すまん、シエル…エルピスを救うにはこれしかなさそうだ)」
エルピスを救って欲しいと頼んだシエルの言葉が脳裏を過ぎる。
「これで終わりだエルピス!!」
シエルとの約束を果たすためにセイバーを振り下ろした。
「ギャアアアアアアアッッッ!!!」
ダメージを受けすぎたエルピスは体中から爆発を起こしながら墜落していき、全身から力が抜けていくのを感じながらエルピスは脳裏に彼女の声が過ぎった。
場面はシエルにネオ・アルカディアから持ち出したベビーエルフをシエルに差し出した時の物だ。
“エルピス…このエルフ…凄いわ。こんな小さな身体で強いエネルギーを発し続けている…もしかしたら、このサイバーエルフを解析すればエネルゲン水晶に代わる新しいエネルギー……より安全でクリーンなエネルギーを生み出せるわ”
“期待してますよ。エネルギーはあるに越したことはありませんし、エネルゲン水晶よりも安全でクリーンなエネルギーならより豊かな生活を送れるようになるでしょう”
“ええ。それもあるけど……新エネルギーが開発できれば、ネオ・アルカディアと戦わなくて済むかもしれない。この世界の争いの歴史は、エネルギーを巡る争い。新しいエネルギーが開発出来れば、この争いに終わりが来るはず。”
“シエルさん…”
“エルピス、私は武器の力じゃなくて科学の力で世界を平和にしてみせるわ”
その時に見せたシエルの力強い笑顔。
あの時は笑ってしまったが、彼女に惹かれたのはこの時なのかもしれない。
そして今になってようやく思い知るのだ。
自分がしようとしていることをシエルは望まないことを、そして彼女を笑顔にするどころか悲しませることを。
致命傷を負ったエルピスは意識を取り戻すと、ダークエルフとベビーエルフから解放され、元の姿に戻っていた。
「…ありがとう…ゼロ君…私をよく倒してくれた…君のおかげで…ようやく、正気に戻れたよ。もう少しで…私は…とんでもないことを仕出かすところだった…本当に…すまない…エックスのことも…彼女に何て詫びればいいのか…」
負の感情から解き放たれたエルピスはようやくゼロに対して素直になれた。
ルインの目の前でエックスを破壊したことに対しても申し訳ない表情をする。
「………」
「う…っ…」
するとルインが気絶から目を覚ました。
「ルイン…」
「あ…ゼロ……っ!エルピス!!」
エルピスの姿を認識すると普段の彼女からは考えられない程の憎悪に満
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