第7話 お利口さんにならないと
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ー悲惨だから覚悟しててね…
琴葉さんのその一言を聞いて私は自然とスカートをギュッと握りしめる。あのいつも明るいマスターにそんな…覚悟しなくてはならない程の過去があるなんて…
琴葉「まぁ私もほとんど知らないけど。」
ミク「えぇぇぇぇぇ??」ドンガラガッシャーン??
琴葉さんは超おどけながら言って見せた。
琴葉さん…アホですか。知らないなら引っ張らないでくださいよ…思わず椅子から転げ落ちてしまったじゃないですか??周りの目が痛いですよ…「なんであの人椅子から転げ落ちてんだろー」的な視線が私に突き刺さってますよ…
琴葉「ミクちゃん大丈夫?」
心配してるみたいな顔してますが、笑いを堪えてるのはバレッバレですよ…
だけど、未だに床に転げている私に天使のような笑顔を振りまけながら手を差し出してくれる琴葉さんは、本物の天使のようで。
ミク「ご迷惑おかけいたしました。大丈夫です。」
琴葉「ならよかった。」
琴葉さんは私にほほえ…違いますね。恐らくからかって楽しんでますね。なんと人が悪い。
琴葉「大輝の過去が辛いのは本当よ。」
ミク「…」
琴葉「今でも思い出すと発作みたいなものを起こすらしい
の。」
琴葉さんはオンとオフがハッキリしてますね。
…しかし、なるほど。私が初めてマスターに出会った日…マスターは確かに突然、発作みたいなものを起こして倒れかけたことがあります。今思うとその時も過去を思い出していたのかも…
琴葉「だから私も彼から直接過去の話を聞いたことは
ないのよ。」
ミク「そうだったんですか…」
琴葉「そのかわり大輝のことを彼が小さい頃からよく
知ってる人からなら聞いたことがあるわ。」
ミク「小さい頃から…ですか?」
琴葉「そうよ。」
琴葉「聞きたい?」
ミク「お願いします??」
すると琴葉さんは「コホン??」と軽く咳払いをして私の方に体を向けた。目は…真剣だ。私にも少しの緊張が走る。
琴葉「大輝のご両親は元々有名な研究者だった。
《アンドロイド研究室》と言う有名な機関で
働いていて、とある大発明をしたらしいわ。」
あ、回想編とかになるわけじゃないのですね…
琴葉「だけどある日。その研究機関の実験装置が大暴走
して…大輝のご両親は亡くなってしまったそう
なのよ。」
ミク「…」
琴葉「その時のショックから昔のことを思い出すことを
拒絶するようになったらしいわ。」
ミク「…」
マスターの笑顔の裏にはそんなことが…
琴葉「これが彼の枷となったのか、彼は大切な物を
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