102章 信也と竜太郎たち、詩や芸術を語り合う
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に残るような、世のため人のためになるような、
大きな物語を作っていことが、理想的な企業の姿だ』と言うんですよ」
「なるほど。それで、まあ、うちのおやじとも気持ちとがぴったり合って、
エタナールさんとモリカワで共同出資という形で、
若い芸術家たちを支援したり、社会に送り出すための、
慈善事業のユニオン・ロックの活動が開始されたわけですよね。
そして、その社会的な反響といいますか、注目や相乗効果は素晴らしいもので、
エタナールさんとモリカワも、同業者が羨む商売繁盛なんですよね。
でも、ユニオン・ロックを立ち上げたのは、
ほとんど、竜さんのおひとりの企画であったのですよね。
それがまた、すばらしいと、おれなんか、感心しているんです。
竜さんは、ユニオン・ロックによる、
このような宣伝効果とかは、最初から考えていたんですか?」
「あっはは。おれって、もう33歳になるけれど、20代のころは、
エタナールを大きくして、世界的な大企業にすることしか考えていなかった野心家の、
愚かな人間だったんですよ。もっと正確に言えば、ちょうど、2年前になりますけど、
じゅんちゃん、しんちゃんたちのモリカワを買収しようと計画したころまでは、
おれは、愚か者だったんですよ。なあ、こうちゃん。あっはは。
そこで、モリカワの社長さんや、しんちゃんやじゅんちゃんたちの、
心の通った経営思想や生き方に、感動して、目覚めたんですよ。
人間って、知らず知らずのうちに、欲に目が眩んで、
正常な判断力を失ったり、生き方を間違えるもんなんですよね。あっははは」
「竜さんは、若いときから、スティーブ・ジョブズのことが、お好きで、
憧れているわけじゃないですか。ですから、ジョブズも、アップルとかで実現したかったことは、
芸術的なセンスのいい平和な世の中をつくっていこうってことなんですから、
竜さんの生き方には多少の軌道修正はあったとしても、そんなに間違ってなかったんですよ。
ね、竜さん、あっはは」
そう言って、信也は、信頼の眼差しで、竜太郎を見る。
「あっはは。そう言って、援護射撃をしてくれますか、しんちゃん。ありがとう。
まあ、おれも、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツの意志を継いでいきたいですよ。
インターネットやデジタルを、彼らは開発していたんですからね。
世界中に、良質な芸術を広めていって、心の優しい人を、
世の中に、ひとりでも多く増やしていくしかないように痛感しているんですよ、おれも」
「そのとおりですよね、竜さん、一緒に、これからも、がんばりいましょう!
おれも、みんなが、とりあえず、世の中の人たちが、
みんな、芸術家か詩人になっちゃえばいいんだと思ってい
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