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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-34
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ったりすると、実践を知る人は知っているのだ。それは蓮も例外ではなかった。
再び会話無く作業を続ける二人。蓮が草をむしりながら思い出すのは数年前のイギリスでの列車爆破。たしかあの列車にはセシリアの両親も乗っていた。蓮自身はただ組織の仕事を知るという理由でついていっただけで詳細までは分からないのだが、あれは任務を達成させるまでに三人死んだ。どれも同じ人に殺されて。その人がオルコット家のものだったというところまでしか知らない。聞かされた話の中には、大切な人を守るために瀕死の重体になってもそこから一人やった、というものがあったのを蓮は思い出す。やはり、いいものではない。苦々しい後味が残っているようだった。
◯
篠ノ之箒は、自分の姉、篠ノ之束の姿に困惑していた。
自分の知る束は、片付けが出来なくて部屋の足場もないほど散らかすものだと思っていたが、いざ掃除を始めると自分以上にテキパキと仕事を進めていく。いつの間にか中心になって周りの人を動かしながら進めていた。
そんな姿を掃除しながらぽかんと見るだけの箒。そんな箒に話しかけてきた人がいる。麗菜だった。
「昨日はごめんなさいね。人殺しって言われて、そんなんじゃないって思って子供みたいにただ聞いただけのものをぶつけちゃって。よく考えると、犯罪は犯罪よね。私、間違ったことばかり言っちゃった」
「い、いえ、私もいい過ぎました。あなたの事情も知らずに……」
「ううん、大丈夫よ。ただ、そういう人も世の中にはいるんだって覚えてもらいたいな?」
「はい、こっちこそ一方的に……」
「いいの、いいの」
麗菜は箒の謝罪をかき消すように上に声を重ねて喋る。まるで、まだ拗ねている子供のように。そんな麗菜に苛立ちをどこかで感じながらもあと数日険悪なままいるのは勘弁したいと思っていたので、このまま終わりにしたかった。
「こらー! そこ、仲直りしてないでちゃんと掃除して! そうしないとこの部屋終わらないよー!?」
「ふふ、はあーい。……さ、行きましょ?」
腰に手を当ててぷんすかといかにも怒ってますとアピールする束に返事して二人は掃除に戻った。
麗菜と箒はいまいちはっきりしないものになったが、逆にこういう方が良いのかもしれない。どうせこの手伝いが終わったらもう会わないのだから。
それから掃除は静かに進んだ。女が集まれば騒がしくなるとよく言われるが、この時に限っては全く違っていた。
全員が黙々と掃除を続けるのだ。お嬢様であるセシリアでさえ、文句すら言わずに窓を拭いている。なんだか、違和感しか感じなかった。それに本人は真剣そのものだけど、周りがよくよく見ればおかしいことこの上なかった。
朝から初めて時間が経ち、そろそろ小腹がすく時
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